映画のような脱出劇でお茶の間の注目を集めたカルロス・ゴーン氏。
なんとなくお金で悪いことしたんやろな~
というのは誰にでも感じ取れるとは思います。
実際は何をやったのでしょうか。
カルロス・ゴーンはレバノン人
カルロス・ゴーン Carlos Ghosn
ブラジルで生まれで6歳からレバノンに移りました。
その後フランスへ渡り、パリの大学を卒業してミシュラン*1に勤務しました。
ミシュランでの業績が認められルノーにヘッドハンティングされました。
1999年 日産はルノーと資本提携を結びました。
ゴーン氏はルノーのCEO、日産でもCEOと二足のわらじだったわけです。
そして経営危機に瀕していた日産の再生に成功しました。
仕事熱心で多忙なため 日本ではセブンイレブンという愛称までできました。
アラビア語、フランス語、英語、スペイン語、ポルトガル語の5か国語を話せるそうです。ここに関しては尊敬してます~~
こんな最高の人生を送っていたのに、ある日悲劇が起こります。
東京地検特捜部による逮捕・起訴
「日本最強の捜査機関」と言われる東京地検特捜部。
彼らが主に狙うのは大物政治家などの汚職、脱税などであります。
この時点で、ゴーン氏が日本社会でいかに大物かもわかりますね。
2018年11月 金融商品取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。
ものすごく簡単に言うと、
日産から自分に支払われている役員報酬を少なく報告しました。
実際は4年間で80億円もらっていたのを40億円と書いたのです。
脱税の目的ですね。
内部告発があったそうです。
2018年12月 東京地検は金融商品取引法違反でゴーン氏を起訴しました。
▼▼逮捕されたらどうなる?はコチラ▼▼
multilingual-doctor.hatenablog.com
特別背任罪での追起訴→再逮捕
2019年1月 東京地検は特別背任罪でゴーン氏を追起訴しました。
特別背任罪と言うのは簡単に言うと・・・
組織のトップが自分の利益のために組織に害を与える罪です。
2019年3月 保釈が許可され、保釈保証金10億円を納付し釈放されました。
あの作業着姿で保釈された映像は鮮明に覚えてます。
しかし
2019年4月 オマーンの販売代理店の資金不正利用の疑いで再逮捕されました。
フランスのマクロン大統領が安倍総理大臣にゴーン氏の善処を求めると、
なぜかその2日後にゴーン氏は釈放されました。(笑)
保釈条件:海外渡航の禁止
"Ghosn" with luggage ~カバンとともに去りぬ~
クリスマスディナーの音楽隊に扮した軍事関連会社が楽器のケースに隠して連れ出したと報じられています。
米軍特殊部隊出身の2人が協力し、22億円以上の費用がかかったと報じられています。
日本の出国の記録が残っていませんでした。
しかしレべノンの国務相は「レバノンに正当に入国した」と答えています。
12月29日に関西空港からトルコ・イスタンブールへ飛んだプライベートジェットが1機確認されました。
実はプライベートジェットの場合は荷物の保安検査の法的義務はありません。
空港関係者の証言ではケースが大きすぎたためX線検査は省略したそうです。
今後どうなる?
2020年4月に初公判が開かれます。
しかし本人が日本に帰国しなければ公判は開けません。
通常、こういった場合は当事国間で「犯罪者引き渡し条約」に基づき処理されますが、
日本とレバノンはこの条約を結んでいないのです。
2019年12月31日 東京地裁はゴーン氏の保釈を取り消しました。
日本政府は国際刑事機構に協力を仰ぎ、レバノン政府にゴーン氏の身柄拘束を要請しました。
ここからどうなるのでしょうか、まだまだ目が離せませんね。
レバノンで反政府デモ
レバノンの首都ベイルートでは若者による反政府デモが行われています。
若者の失業率が25%を超えており、一般市民の生活が困窮していることが原因と言われています。
政治腐敗や、ゴーン氏を含めたレバノンでの富裕層への怒りで街は煙に包まれています。
*1:フランス大手タイヤメーカー