ニュースで見たことでしょう、はい、北朝鮮から韓国に向けて”汚物”入りの風船が飛ばされてきたという物。。。
さて、今回はこの汚物風船についてさらに背景を学んでいきましょう。
南北風船合戦
北朝鮮はなぜ汚物風船を飛ばしたのでしょうか?
一番わかりやすいのは、南北の”風船飛ばし合戦”です。
韓国に住む脱北者の団体は、メディアなどで、北朝鮮国内の惨状や、低い人権意識などを詳らかに話したりします。最近では脱北Youtuberもいるくらいです。
彼らは、現在は韓国に住み、いかに自分たちが劣悪な環境で暮らしてきたかを実感するとともに、洗脳された北朝鮮国民たちに”気づかせる”行動をしています。
これが”対北ビラ”などと呼ばれる、金王朝を痛烈に批判したビラを付けた風船を北に飛ばす行為です。
その他にも、極貧の国として北朝鮮で教えてこられた韓国は実際は北朝鮮よりもはるかに発展していることを知らせるために、韓流ドラマの入ったUSBなども風船で飛ばしています。
▼韓流ブームとは▼
実際に北朝鮮ではコッソリと韓流ドラマを見る国民が後を絶たず、北朝鮮は取り締まりを強化しています。見つかると、重労働の刑や懲役刑、周りに拡散した場合は最高で死刑となります。実際高校生が死刑になりました*1。
北朝鮮がいかに韓国ドラマで韓国の豊かさを知られるのを恐れているかよくわかります。
つまり、韓国ドラマやK-POPは、ただのエンターテイメントに留まらず、北朝鮮への心理作戦としても重要な役割を果たしているのです。
国を挙げて、韓国ドラマやK-POPに力を入れている”裏の理由”でもありますな。
で、北朝鮮による汚物風船は、この対北ビラに対する報復攻撃なのです。
なぜ今?
ところで、なぜ今この問題が起きているのでしょうか?
北朝鮮は以前から、この対北ビラを辞めさせろ!と韓国政府にずっと言ってきました。
韓国の前の大統領、文在寅を覚えているでしょうか?いや、忘れるはずありませんね。
彼は両親が北朝鮮からの脱北者です。彼自身は人権派弁護士経由のバリバリ左派で、北朝鮮 love のようです。
ま、彼の属している”共に民主党”内には『親北』議員がたくさんいます、慰安婦支援団体で横領しまくりだった尹美香議員も属していました。(復習は過去記事で)
▼慰安婦支援団体の黒幕▼
▼慰安婦問題の真相▼
てなわけで、文大統領は、2020年に脱北者団体をけん制するために、『対北ビラ禁止令』を制定しました。北の言いなりです。
しかし、さすがにこれには韓国国民もブチギレ、憲法裁判所に持っていかれます。
政権交代し、現在の尹大統領になった後、2023年9月に「表現の自由に抵触」と違憲判決が下りました*2。
これにより、対北ビラがまた再開されだしたというワケですね。
なぜ動物の〇〇?
おそろしすぎる、バイオテロ行為の汚物風船。
軍が出動し、回収し分析したところ、人糞はなく、動物のフンが含まれていることがわかりました。
しかし、ふと疑問が沸きます。なぜ、人のではなく、動物の??
一説*3によると、北朝鮮では人糞は貴重な資源であり、もったいないから動物のフンで嫌がらせをしたという物です。
実際、韓国軍まで投入され、韓国に混乱をもたらしたという意味では北朝鮮の思惑通りでしょう。
さらには、北朝鮮からすれば、”汚物風船も表現の自由ざます”ということで、止めることはできないのです。
対北朝鮮拡声器
この南北風船合戦は、今後どうなるのでしょうか?
韓国側は、さらに一歩、北朝鮮が嫌がることをすることにしました。
それが、国境付近で大音量で行う拡声器攻撃です。北朝鮮の軍隊の多くは、韓国との国境近くにいるのですが、この軍人たちの士気を下げるために、金王朝を痛烈に批判する内容の音声や、BTSの曲などを延々と流し続けるのです。
しかも、これは先ほどまでの”民間団体”のビラ風船レベルでなく、国家レベルでやるわけです。高出力拡声器で天気にもよりますが、10~30km届くと言われています。
実際、この効果は大きく、拡声器攻撃をしているときは、北朝鮮の軍人の脱北者が増えています*4。
北朝鮮は、この拡声器攻撃を非常に恐れており、特にすでに北朝鮮内に入り込んだ『韓流』という感染症の”水際対策”に追われています。
大音量拡声器の音を消すには、拡声器を攻撃するという手があり、過去にもやっています。そして、もう一つは、対抗して大音量で拡声器攻撃をし、北朝鮮国民にK-POPが聞こえないようにする方法です。
60年の歴史
ところで、対北拡声器の歴史はどのくらいあるのでしょうか?
さかのぼれば、1962年から開始され、ときに南北関係を考慮し中断されては、関係悪化とともに再開されてきました。
北朝鮮側は、韓国側に拡声器放送をやめるようにしつこく要求していました。
2018年、またまた登場、文在寅大統領が、南北軍事境界線の板門店で南北首脳会談を行い、板門店宣言を発表しました。
これ以降、国境近くに設置されていた拡声器はすべて撤去されたのです。
しかし、今回のバイオテロ的な汚物風船に対して、改めて強硬姿勢を示すべく、拡声器反撃を再開したのでした。
ま、現在、支持率が最低を記録している尹政権としては、強硬姿勢で保守層の支持を集めたい思惑があるのかもしれませんな。
さいごに
いかがでしたか?
今回の南北風船合戦。背景を知ると、いくつか見えてくることがあります。
・ミサイル打ちまくってますが、実はかなり厳しい状況の北朝鮮
・北の言うとおりに暗躍してきた文大統領
・尹政権も支持率低下で求心力求めて”北風”カード
では、また(^^♪