マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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知らず知らずのうちに蝕むもの

 

戦後の日本はアメリカを主導とするGHQによる政策で、『二度と戦争をしない国』を作り上げてきました。そんな中で、教育や報道の現場では、『日本は悪い国だった』ということを国民に刷り込むために、”左寄り”の人間を重用していきました。

おかげで治安もよく、平和な国にはなりましたが、このユルユル国民は野望ある者からすれば”いいカモ”となるわけです。

今回も英字記事をもとに学んでいきましょう。

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米中 ”冷戦” 

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NHK world より一部引用

今回も頻出単語がたくさんありますので、上図でしっかりと抑えておいてください。特に media outlet という言葉はしょっちゅう使われます。

outlet というのは、 出口、捌け口、(電気)コンセントなどの意味があります。要は、物の出てくるところですね。アウトレットモール(outlet mall)は、型落ちやワケあり商品の ”捌け口” なワケですね。

ただ薄々気づいているとは思いますが、アウトレットで売られている商品の多くはアウトレット専用品なのです。そりゃあんなにたくさんワケあり商品があるはずもなく…笑

どういうことかと言うと、見た目はほとんど変わらないが、アウトレットモールで売るために素材などの質を落として作っているものです。

 

話が逸れました(^^;

さきほどの記事の黄色下線部はどうでしたか?文の構造をパッと理解できましたか?

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解説

わかりやすく、余分な修飾語などを省いてみました。関係代名詞の構文なのですが、ordered closed というのが厄介なところですね。

実はこの closed 過去分詞(=形容詞)です。なので、C(補語)になるり、意味は、"ワシントンが閉鎖するように命令した領事館" です。

もう1点。〇〇政府というときに代わりにその地名をよく使います。the Japanese government の代わりに Tokyoとか、the U.S. government の代わりに Washington と書きます。ぜひ覚えておいてください。

そういや日本のニュースでも、『霞が関』とか使いますね~

中国のスパイ活動

今回閉鎖を命じられたのはヒューストンにある中国領事館です。アメリカ政府の説明では「知的財産とアメリカ国民の個人情報を守るため」としています。

2017年からトランプ大統領はこのスパイ行為の報告を受けていました。しかしなぜ、3年前からわかっていたのに今頃になってこの領事館を閉鎖したのでしょうか?

中国が、アメリカで開発中の新コロワクチンの研究情報を盗もうとしていたと言われています。そう、これが ”知的財産を守る" なのです。

世界中でワクチン開発が進む中、何としても優位に立ちたいのはアメリカも中国も同じです。”アフターコロナ” の主導権争いです。

この状態、75年前の米ソの関係に似ていますね?どちらが先に原爆を作れるか、これにより大戦後の主導権が変わるというものでした。

ちなみにTikTok というアプリから個人情報が中国に漏れる恐れがあるとしてアメリカは禁止にする方向に進めています。インドはすでに禁止にしています。 

研究者たちも活動?

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留学生のスパイ行為?

これはトランプ大統領が、留学生も締め出しにかかったと話題になりましたが、授業料が大幅に減る大学などが猛抗議し、1週間後に撤回されました。

しかし、なぜトランプ大統領はこのような強硬な発言をしたのでしょうか?

アメリカ司法長官によると、中国領事館の職員が研究員に情報収集を指示していたのです。先日、中国軍の関係者が身分を隠してビザを取得した研究者が、身柄拘束されたというニュースもありました。研究者・留学生もスパイ活動を行っていたという証拠を得たのでしょう。

もう1つ挙げるとするならば11月の大統領選を意識していることでしょう。トランプ大統領は "アメリカ至上主義" で、中国への強硬姿勢で支持を得ていますので、それを示す意図もあるでしょう。

新型コロナ感染拡大でマイナス要素が大きいところでしっかりと目に見える業績が必要ですからね。

コロナ禍のスキに

中国の「覇権主義」は以前からですが、このコロナ禍で日本国民の関心が向かないうちに行動をしています。メディアは積極的には報じませんが。

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領海について

まず、基本をちらっと。領土から12海里領海となり、主権が及びます。

領土から200海里までは排他的経済水域といいます。この水域では外国船なども自由に航行しても構いません。ただし、漁業など資源を捕ろうとするには国の許可が必要となります。

ややこしいのが接続水域です。これは領海からさらに12海里までの水域で、他国からの侵入や密漁を監視するために設けられたものです。領海に入らせないための警備区域ですね。

尖閣諸島の接続水域に中国の"公船" が出現するのが、なんと100日連続を超えました。そのうち10数回は ”領海” へも侵入しています。

中国は「領有権」を既成事実化しようとしているわけです。

尖閣諸島は日本

尖閣諸島の領土問題はよく耳にしますが、実際どういうものかご存じでしょうか。

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尖閣諸島問題

尖閣諸島は上図で確認できるように、沖縄県の石垣島の北方に位置しています。台湾にものすごく近いですね。

諸島というだけあって8つの小さな島からなる無人島です。昔は日本から中国へ、中国から沖縄へ向かう船の航路用の目印として利用されてきました。

1885年に沖縄県が調査を行い、過去にどこの国のものでもないことを確認して、沖縄県に組み入れました。以降、日本人が入植し、最大248人住んでいたことがわかっています。

しかし離島での生活は不便で、また第二次世界大戦でアメリカからの攻撃の恐れがありみんな撤退し再度無人島になりました。

敗戦後は、本州と同じように米軍支配下に置かれ、沖縄同様に1972年に日本へ返還されました。

領土問題噴出

この尖閣諸島付近の水域はよく魚が取れ、1960年代から台湾漁船が入域し、乱獲を始めました。当時はまだアメリカの支配下だったのでアメリカが台湾に抗議しましたが台湾との良好な関係を望んでおり大きな問題にしませんでした。

1968年に海洋調査で尖閣諸島付近に莫大な石油資源がある可能性が指摘されました。その後、台湾、中国がと領有権を主張し始めました。

アメリカは竹島もそうですが、領土問題には首を突っ込まないという姿勢をずーっと貫いてきたのですが、中国の影響力が大きくなってきたことと、中国の南シナ海での覇権主義にムカついているのか、2010年代から「尖閣諸島は日本の施政下にあり、日米安保同盟の対象」と明言しました。

メディアは報じない

日本のメディアにはたくさんのタブーがあります。その中に中国政府の意に反する報道はしてはいけないというものがあります。

これは日中記者交換協定 (1964) の存在を知る必要があります。当時は日本と中国は国交はなかったので、お互いの記者を置いて取材させる為の協定を結びました。この協定には次のようなルールがありました。

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日中記者交換協定の3原則

ルールを破れば、北京から追い出されてしまい、その新聞社は中国の報道ができなくなります。「自由な報道」では決してないですね。

1972年に日中国交正常化となり、この協定自体は翌年に”一応” 失効しています。

しかし、その後も中国政府の意に反する報道をした記者は国外退去処分を受けるなどが続きました。

なので、今は明文こそないにせよ、各社は『自主規制』としてあまり報道しないようにしていることが多いと考えられます。

日本はおとなしいのでナメられやすいということは肝に銘じておく必要がありますね。

 

では、また(^^♪