インフルエンザの大流行のニュースや、中国での新型ウイルス肺炎と日々新たなニュースがあふれています。
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また最近、豚コレラというキーワードもニュースで聞くことが多いのではないでしょうか。
豚コレラ(とんコレラ)についてサラっと学びましょう~
豚コレラはウイルス性でヒトには移らない
豚コレラはCSF(Classic Swine Fever)とも呼ばれたりします。
swine という言葉はあまりなじみがないかもしれませんが豚のことです。
豚インフルエンザも英語では swine flu と呼びます。
病名などで使うときはpigとは言いません。
豚コレラはウイルス性でブタとイノシシに特有の病気です。
我々人間には移りません!ご安心を。
たとえ、豚コレラに感染したを豚を食べても移ることはありません!
1800年代 コレラが流行っており、豚も同じようにコレラになったと考えられたため
豚コレラと呼ばれています。
しかし、コレラはコレラ菌と呼ばれる細菌により起こります。
豚コレラは細菌ではなく、さらにさらに小さいウイルスにより起こる全く別物です。
名称の変更
2019年11月に農林水産省は豚コレラをCSFと呼ぶことにしました。
実際過去のコレラとは全く別物であり、イメージの問題もあるからです。
その後 12月に法律上の名称を【豚熱】に変更しました。
その名の通り、豚さんが発熱します。
その後、急性結膜炎と言って目が赤くなります。
エコフィード
エコフィード(eco-feed)とは要するに ”エコな飼料” という意味です。
豚のエサは普通トウモロコシなどからできたものをあげますが、これは原材料費が高騰すればかなり財政上の問題となります。
では、エコフィードとちょっとかっこよさげな名前をしていますが、つまるところ食べ残しを豚のエサの一部にしようという試みです。
パンくずやコンビニの売れ残り弁当や規格外野菜などを利用します。
このエコフィードを導入することで、コストが低下する上、様々な栄養素が含まれているため上質な豚肉ができるというメリットがあるそうです。
加熱はしっかりと!
2019年 沖縄で広がった豚コレラ(CSF)はエコフィードを非加熱で与えたことが原因とされています。
豚コレラウイルスを殺すには80℃で3分以上、70℃で30分以上の加熱が推奨されています。
ところで、牛肉は生焼けでもOKだけど豚肉はダメですよね?
それは別に豚コレラウイルスが死なないからではありません。
さっきも言いましたが、豚コレラは人には移りません。
豚肉で半生がダメな理由は
- E型肝炎ウイルスによる劇症肝炎のリスク
- サルモネラなどによる食中毒
- 寄生虫の存在(有鉤条虫など)
と言われています。
とりあえずはヤバいウイルスや細菌、寄生虫がいるからと考えてください。
生ワクチンのニュースの真相
昭和40年代に豚コレラの生ワクチン*1が開発されています。
ただし、豚を国際的に販売するためには生ワクチンを使っていない方がイメージがいいのです。
日本は生ワクチンを使わずに豚コレラを起こさない徹底管理を行い、「清浄国」という認定を受けてきました。
日本では平成4年以降 豚コレラの発生はない優秀な清浄国でした。
ところが、令和元年になって豚コレラが全国で広がりました。
最初は「清浄国」取り消しがイヤなため(?) 生ワクチンを渋っていました。
しかし、今はそんなこと言ってられません。
豚が殺処分になれば養豚場はつぶれてしまいます。
そんなこんなで最近のニュースで
「豚コレラの生ワクチンが〇〇県でも再開」
というのが流れているわけですね。
2021年1月24日現在
沖縄県を追加し18の都道府県で生ワクチン接種が認められています。
*1:感染力を落とした生きたワクチン