菅(すが)内閣の支持率が65%と非常に高く、新政権への大きい期待が感じられます。思えば、小泉内閣(2001年)は当初 驚異の78%、 第一次安倍内閣(2006年)は 63%だったのでそれに匹敵するくらいのものです。
とういうか、過去いつを見ても新内閣誕生時の支持率は異常に高く、残念ながら段々下がっていきます。
菅総理大臣には決してブレることなく、安倍内閣がしてきた道をある程度踏襲して隣国にも凛とした外交で頑張ってほしいと思います。
さて、今日も英字ニュースから話を広げていきます。
今日の題材
まずは記事をパッと読んでみてください。少し入り組んだ部分を選んできました。
いかがでしょうか、意味はわかったと思います。今回の題材は長い関係代名詞があるので一瞬「?」となった方も多いのではないかと思います。安心してください、慣れたら余裕ですから。
内容としてはカリフォルニア州で、車の排ガス規制に関する州知事令が出されました。なんと2035年までにカリフォルニア州内で売られる車はすべて排気ガス0であるようにせよ!というものです。
かなり大きい目標ですね( ;∀;)
大統領令
では、まず単語の確認をしておきましょう。
単語は上図で確認してください。
executive order はトランプ大統領が就任時にメキシコとの国境に壁を作るという大統領令を発しましたね、覚えてますか?最近でも8月にTikTok使用禁止の大統領令を発しました。
日本の総理大臣にはそんな権限がありませんが、アメリカの大統領にはものすごいパワーがあるわけです。"核のボタン"を常に持っているというのは有名な話ですよね?
大統領令っていうのもすごっくて、大統領が「こうしなさい」と命令を出したら議会の承認を得る必要がないんです。もちろん、本当にヤバい人が大統領になって、大統領令を発動しまくって好き勝手したら困りますよね。
実は大統領令は、連邦最高裁判所で違憲判決が出たら無効化されるんです。こうして、職権乱用の暴走を止める仕組みになっています。
このような強い権限が、アメリカの各州の知事にも与えられているんです。そう、州(state)は国家という意味ですよね?なので日本の県とは違ってアメリカの州は力があるんです。
ちなみに大統領のいない日本のような君主制では、天皇や王からの『勅令』という言葉が大統領令と同じですね。
アウトロー
実は僕、結構最近まで「アウトローな人」とかは out-low だと思っていたんです。昔は阪神タイガース大好きで毎日野球見てました(笑)外角低めのことをアウトローと言いますよね。それからできた言葉だと勝手に思っていました。
しかし、よく考えたら外角低めって結局ストライクなので”外れていない”んですよね?
アウトローな人って言うのは人道から外れているというような意味合いですよね?
最近知ったんです、out-law という単語なんです。lawでoutな人(法外)と言う意味です。ちなみに野球のアウトローは英語では "low and outside" と言われます。
また、今回の題材で出てきたように outlaw は動詞もあり、禁止するという意味になります。この時は、lawでoutにすると考えてもらえば覚えやすいですかね。
カリフォルニア州の州知事令
さて、本題に入りましょう。
先ほども書きましたが、カリフォルニア州知事令で2035年までに同州内で販売される新車はすべて排気ガス0にしなければならないとしました。
そもそもアメリカは圧倒的な車社会です。特にカリフォルニア州は全米の自動車販売の10%以上を占める”自動車”大州なんです。自動車会社にとってはマーケティング上、非常に重要な州です。
実はこの話は去年からあったんです。その時はカリフォルニア州では2026年以降の新車は独自の排ガス規制をするというものでした。さて、これは誰が困るでしょうか?そう、自動車会社です。
他の州では規制がないのに、カリフォルニアだけ規制ができると、商売やってるものからするとすごい迷惑なんですね。
トランプ vs カリフォルニア
最初はアメリカ政府とカリフォルニア州で話し合いや調整をしていたのですが、カリフォルニア州は一歩も譲らなくて交渉決裂しました。すると、自動車メーカーは大統領にさらなる話し合いを要求しましたが、お互い罵り合いで終わりました。
一向に話し合いは進まないので「もうしょーがねーわ」ってことで上図の4社は独自にカリフォルニア州の規制に合うようにすることにしました。
ゼロエミッション車というのはガソリンもディーゼルもハイブリッドも全部ダメなので、日本の車産業にも大きな影響が出そうです。輸出できない!
しかしなぜこうも政府とカリフォルニア州が反発し合っているのでしょうか?実はこれには前政権から残された政策が影響していたんです。
▼ガソリンとハイオク
前政権の置き土産
オバマ政権では温室効果ガス削減のために自動車の燃費に規制を掛けました。オバマ大統領が定めた基準は次の図のようになります。
35.5マイル / ガロン(およそ 15km/ L)以上の燃費を要請しました。日本では軽自動車が多く走っていますのでそのくらいの燃費は普通じゃんと思われるかもしれません。
しかし、軽自動車という規格は日本にしかないと言っても過言ではなく、ガラケーならぬ ”ガラ車” なんです。日本は排気量で税金が変わりますが欧州などではあまり重視されません。また軽自動車は軽くするために強度は下がっているので海外では好まれません。
軽自動車がなく、また好まれない自動車大国・アメリカではすべての車がこのオバマ大統領の基準をクリアするのはかなり難しいわけです。
自動車業界はトランプ大統領にこのオバマ基準を緩和するように嘆願しました。それによりトランプ大統領は2018年にオバマ基準の凍結を提案しました。ま、トランプ氏(共和党)からしたら、前政権(民主党)を否定する目的もあったでしょう。
このようにアメリカ政府はオバマ時代の ”厳しすぎる基準” を緩和する方向に進めてる中、カリフォルニアだけが独自でさらに厳しい基準を出してきたのでお互い揉めていたということなんですね。
では、また(^^♪