さて、安倍政権は歴代最長の長期政権となっています。
野党は総理やその周辺のスキャンダルを必死に取り上げてきましたね。モリカケ問題や桜を見る会。
さて、過去を振り替えると『桜を見る会』なんて比にならないくらい大きな総理大臣のスキャンダルがあります。
ロッキード事件。耳にしたことはあるでしょう。
これはいまだに真相がわかっていない部分もある面白い事件なので一緒に学んでみましょう。
ベトナム戦争とロッキード社
まず、ロッキード社(Lockheed)という飛行機を作る会社がアメリカにありました。この会社は民間機市場で出遅れたため、主に軍用機を作る大手の会社でした。もうわかりますね、こういう会社が儲かるためには・・・はい、戦争です。
ベトナム戦争(1955-1975)のときは当然めちゃくちゃ儲かったわけです。パリでの和平協定ののち1973年にアメリカ軍はベトナムから完全撤退をしました。すると、軍用機の需要は減り、ロッキードの飛行機は売れなくなり、赤字化しました。
さて、いざ民間機市場に乗り出そうとするもすでにボーイング社などの大手がおり、普通には戦えそうにもありません。そこで、ロッキード社は考えました。
よし、なら国外に目を向けよう。
全日空との契約
当時日本ではすでに日本航空がアメリカの他社のジェット機の大量発注が決まっていました。そこで白羽の矢が立ったのが全日空でした。全日空はロッキード社含め複数社のジェット機の中から選定し、最終的になぜか全会一致でロッキード社が契約を得ました。
工作活動が明るみに
しかし、のちにアメリカ上院議会の公聴会でロッキード社が売り込みのために各国政府関係者や各国の航空会社に賄賂をばらまいていたことが明るみになったのです。全日空には当時の30億円ほどのお金が動いたとされます。
その後の調べで、全日空への売り込み時に現役総理大臣であった田中角栄氏に5億円が渡されていたこともわかりました。このときに仲介したのが丸紅という輸入品などを扱う大手の会社でした。丸紅からしたら、ロッキード社が契約を取れば、仲介料がもらえるというメリットがありました。
日本での大物政治家を巻き込んだ大きな汚職事件であり、日本の国会・検察も動くことになり、1976年に元総理大臣の田中角栄氏は逮捕され、懲役4年、追徴金5億円の実刑判決を受けました。
関係者の謎の死
ロッキード事件は日本のマスコミも報道に熱を入れていきました。しかし、この事件を追っていた記者や、田中角栄氏の運転手、ほか関係者が相次いで謎の死を遂げました。
当然、このことは様々な憶測を呼びました。
アメリカ陰謀説
そもそもこの事件がどうやってバレたのかと言いますと、上記の通り、アメリカ議会の公聴会で急に極秘資料は「誤配送」されてきたことに始まります。ま、この時点でめちゃくちゃ怪しいですね。
また田中角栄と言えば日中国交正常化(1972)を行った総理大臣としても有名ですね。また1973年に第一次オイルショックがありました。日本はもともとアメリカから石油を買ったりしていました。田中総理は中国・ソ連に接近し独自で石油などをエネルギー調達しようとしたのが、アメリカの逆鱗に触れたのではないかという説でした。
つまり、それを知ったアメリカ政府がロッキードの賄賂のネタをわざとバレるようにし、日本政府に釘を刺したというワケです。(あくまで一説です。)
さて、人生は本当に何があるかわからないもので、このときのアメリカ合衆国大統領のリチャード・ニクソン(Rechard Nixon)はのちに有名なウォーターゲート事件で失脚するわけです。
これについてはまた別の機会にお話ししますね。
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独り言
さて、ロッキード事件の内容はご理解いただけましたでしょうか?
こういったどう考えても私利私欲にまみれた政治家を排除するのは国のためになります。
ところで、いまの政治を少し俯瞰して見てみましょう。『モリカケ問題』に『桜を見る会問題』。そういった追及で総理大臣が辞任するほどの威力は当然ありませんが、野党側としては『国会の進行を遅らせる効果』があります。与党は数では優位なので審議を進めやすい立場にあります。その時間稼ぎにスキャンダルを使うのは野党の常套手段です。
もちろん、政治家の汚職などは許してはいけません。膿は洗い出さねばなりません。
しかし、いつまでも”明らかな法的犯罪”でないものの追及に大事な国会の時間が使われています。
国会の1日の費用は1日3億円と言われています。官僚の不倫やら、お友達をパーティーに呼んだやらの追求だけに何十日、いや何百億円の税金が使われるのをなぜメディアは批判しないのでしょうか?不思議ですね(笑)
こういうことで、さらに政治離れをもたらすことをなぜ指摘しないのでしょうか?日本人が政治に関心をもつと何かよくないことがあるからなのでしょうか?(笑)
世の中のことは知れば知るほど、「金」「権益」「忖度」「私利私欲」に満ち溢れています。ぜひ、物事を俯瞰し、”洗脳”されないように気を付けましょう。