マルチリンガル医師のよもやま話

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【サク読み】なぜ気球?中国の意図とは

2月に入ってからアメリカ、そしてカナダで中国の『スパイ気球』とみられるものが立て続けに見つかって両国は撃墜しました。

ふと気になるのはなぜ気球?とか、なんで最近?目的は?っていうとこですね。

外信の記事*1*2から学びましょう。

軍事用気球

気球ってなんとなーくレジャーなイメージしかないのですが、過去をさかのぼれば、特に飛行機ができる前の時代では軍事用として盛んだったのです。

当然、敵の兵の状況を空から確認する偵察に重宝されました。

大日本帝国陸軍・気球連隊

かつて大日本帝国陸軍にも気球連隊と呼ばれる部隊があり、太平洋戦争時に気球に爆弾を付けた風船爆弾を飛ばしていました。

なんと9000個ほどの気球爆弾を日本から空に放ち、偏西風を利用してアメリカまで飛ばすのですが、300個ほどが到達し数名の死者を出しています。

その気球に炭そ菌やペストなどを乗せた生物兵器まで計画されていたという”七三一部隊”、おそろしや。

高い所を飛ぶ

こういった気球が飛ぶ高度は非常に高いのです。

飛行機よりも高くを飛ぶ

通常の飛行機は1万2千メートル(=12km)より低い高度で飛ぶそうですが、気球はその倍以上の高度を飛んでいるのです。

ちなみに現代の偵察の主流である軍事衛星はだいたい高度400~600kmだそうです。当たり前ですが、気球なんかよりうんと高い所を回っています。

なぜ今さら気球?

昔、偵察用に重宝されたのはわかります。

しかし、今や衛星を飛ばす技術もあり、常時監視までできるわけです。なぜ今さら気球なの?

気球ならバレにくい?

『この衛星は偵察用です』なんて言って打ち上げるアホはどこにもいないわけで、気象観測用とか適当なこと言って衛星を打ちあげるのですが、それで偵察されているだろうなんてことはみんなわかっていわけです。

なので、その対策としてレーザーで干渉したり、最悪の場合ミサイルで撃ち落せる技術があります。

そんなこんなで回りまわって、気球なら警戒されにくいんちゃうかな?って注目を浴びているんだそうです。

費用対効果抜群♪簡便♪

さらに衛星を打ち上げるのは準備も大変だし、お金もかかるけど、気球なら簡単で安いというメリットもあります。

あと、先ほどあったように、気球は衛星より高度が圧倒的に低く、移動速度も非常に遅いので『近くからゆっくり偵察』できるのです。

中国の意図

撃ち落され回収された気球からはセンサーなどが見つかっているわけですが、中国は本当にバレないと思っていたのでしょうか?

記事に出てくる国際情勢・諜報の専門家によると、中国はバレることが目的だと言っています。

アメリカに恥をかかせる

要は、バレて大々的に報道されることで、世界最強のはずのアメリカが中国の偵察気球を容易に侵入させたという”恥”を世界中に知れ渡らせることができるというのが目的では?といいます。

その過程で、軍事なり民間なり何かしら機密情報を手に入れられたなら尚ラッキーと。

アメリカへの警告?

また、わざとバレることによって、アメリカに対してある種の警告のメッセージを出しているともとれます。

「どれだけ対策をしても、あらゆる手段で情報を抜き取って、全部コピーできるんやで~。よう覚えときや~」という感じでしょうか。

もっと前から

2023年になって突如と気球を飛ばしてスパイ行為をしているのかと思うとどうやらそうでないようです。

トランプ政権でも確認

当初は、UFOとして扱われたようですが、のちに『偵察用気球』だと判明したようです。

先日、カービー報道官は『トランプ政権時にも気球の米国飛来を確認している』と発言しました。

トランプ『でっちあげだ』

すかさずトランプ氏は『でっちあげ』だと反論します。さらに、トランプ政権下で国防長官をしていたエスパー氏も続きます。

そのような『記憶がない』

政治家あるあるですが、『記憶にございません』ってやつですね。

1986年にレーガン大統領が秘密裏に、禁止されているイランに武器を輸出したことが明るみになり喚問を受けているときに繰り返したのも I don't remember, I don't recall it でした。

責任逃れの構図

いずれにしても責任逃れの構図が始まっています。(笑)

宇宙の支配権

ところで、中国には自前の衛星があり、それを使ってアメリカの偵察、スパイ行為をしており、そちらの方が情報量もうんと多い。

ゆえに、今回のスパイ気球には、スパイ行為としてはそれほど大きな意味はない

別の専門家はこのように説明しています。

宇宙をかけた戦い?

昔は誰が強いかは、ドンパチやって敵の陸地を奪うことで示しましたが、今は敵の空を抑えること。さらに先には、もっと高い宇宙を支配することが未来の強国の証となるのでしょう。

相次ぐ気球

その後も、アメリカの空で怪しい気球が見つかり、撃墜されました。

中国のスパイ行為を示す証拠なし

回収して調べてみたところ、それらの気球は中国のスパイ行為を疑わせるようなものではなかったようです。*3

さらに「どこから飛んできたものかもわからない」と説明しました。

「単なる商業用・観測用気球だろう」

会見で、カービー報道官は、スパイ気球ではなく、”無害な”商業用 or 観測用気球だろうと述べました。

こないだの1件以降、血眼になって探しているのでたくさんの気球が見つかっているようです。

さいごに

いかがでしたか?

中国は過去にもアメリカに謎の植物の種を送りつけたり、気球を送り込んだり・・・

目的がわからないというのが一番不気味ですね。

専門家の言うように、アメリカへの『警告メッセージ』なのかもしれませんね。

 

では、また(^^♪

 

UFOは日本軍??

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