神戸から大阪へ向かうときに何に乗っていきますか?
僕は基本的に電車で行けるところは電車で行く人間なので当然電車です。
さて、神戸から大阪へ行ける鉄道について歴史含め知識を整理しちゃいましょう。
- 3つの路線
- 阪急神戸線登場前
- 阪急神戸線の出現
- 阪急神戸線は110km/h
- 阪急沿線ブランド
- 戦後の関係
- 新快速の登場
- JR民営化
- 阪神大震災 (1995)
- 新快速130km/h化
- JR福知山線脱線事故 (2005年)
- 阪急・阪神の方針
- まとめ
3つの路線
神戸と大阪を結ぶ鉄道はJR、阪急、阪神の3つがあります。それぞれの話をわかりやすくお話しします。
この図はものすごくイメージしやすいために誇張した図です。間違えていても細かいところはスルーしてください。
とにかく
- 山側は 阪急
- 海側は 阪神
- 真ん中が JR
阪急神戸線登場前
この3つの路線は昔から熾烈な客争いをしていました。一番最後にできたのが阪急神戸線でした。今から100年ほど前のお話。
当時、省線*1と阪神電車が既に走っていました。阪神電車はたくさんの客を乗せるために人口密集地を縫うように路線ができたため、カーブが多いんですね。またこまめに駅をつくって客を拾う路面電車の性格があります。
阪神は高頻度運転をしさらに省線よりも早く大阪-神戸を結びました。
※ちなみに当時省線は蒸気機関車による客車でした。
※さらに省線は長距離輸送を重視していたため阪神間の運転頻度はショボかった。
その結果 阪神はたくさんの客を得ました。
阪急神戸線の出現
一番最後に現れた阪急神戸線は考えました。いかにして阪神から客を奪うか。
阪神の弱点はカーブが多いこと、それと路面電車の区間があるためスピードアップができないことでした。
そこで、阪急は山側の土地でなるべく直線となるコースを走ることにしました。また、駅間距離も長くとりました。
阪急神戸線は110km/h
阪急神戸線は高規格で作られたため、のちに最高速度110km/hで運転を行いました。
当時、阪神や省線は阪神間を50-60分で結んでいましたが、阪急神戸線はなんと25分ほどで結びました。
しかし、欠点もあったのです!!
それは、山側沿線に人があまり住んでいなかったのです。
阪急沿線ブランド
阪急は沿線の宅地開発に力を入れます。そこに都会から金持ちたちが住み始めた。これが後に阪急沿線の高級なイメージですね
例:芦屋の六麓荘など
他にも、阪急は客を増やすために宝塚歌劇団を作ったり、駅直結の百貨店を作りました。これが鉄道会社が百貨店を持つスタートでした。
戦後の関係
阪神電車も黙って見ていたわけでなく1933年に路面電車部分を廃止し鉄道の専用軌道に変えてスピードアップ。
戦後にはノンストップ特急の運転を開始し27分で結ぶようになりました。
※梅田ー元町間です(梅田ー三宮は25分)
新快速の登場
1970年 国鉄は新快速の運転開始。阪急と阪神は複線(上下1本ずつ)のため特急は前を走る各駅停車を途中駅で抜かさなければならないんです。
一方国鉄の神戸ー大阪間は線路が上下2本ずつ4本ある複々線でした。 つまり、各駅停車とは別の線路を速達列車が走ることができます。
しかし、当時の国鉄は長距離列車を優先し、新快速は各駅停車と同じ線路を走るしかなかったんですね。つまり複々線のメリットを生かし切れていなったのであります。
JR民営化
民間企業となり阪急・阪神との競争も激化し、新快速を各駅停車とは別の線路を走らせることでスピードアップ(110km/h)しました。
こうして段々とJRも客を奪っていきました。
阪神大震災 (1995)
これが阪急・阪神にとっての悪夢の始まりでした。各社とも甚大な被害を受けました。JRも六甲道駅が崩落するなど、非常に大変な状況でした。
元国鉄ということで、他のJRグループの助けも得れたため阪急・阪神より早くに全面復旧を遂げました。
こうして元阪急・阪神利用者たちもJRを利用するようになりその速さを実感するようになったのです。
新快速130km/h化
その後、新快速に223系が投入され、最高速度を当時在来線最速の130km/hとします。こうして今あるJR一人勝ちに近い状況となったわけです。
ちなみに、阪急神戸線の現在の最高速度は115km/h、阪神電鉄本線の最高速度は 106km/hです。
JR福知山線脱線事故 (2005年)
2005年4月25日に発生したこの事故でJR福知山線は2ヶ月ほどの運休となりました。最高速度も120km/hから95km/hに下げました。さらに余裕のないダイヤを見直し所要時間は延長しました。
この流れはJR神戸線、JR京都線にも波及し、停車時間の延長や余裕時分の追加で所要時間が延長しました。
それでも新快速が阪急・阪神の特急よりもまだまだ速かったのです。
阪急・阪神の方針
複々線で、直線区間の多いJRにはもう勝てない! 特急の停車駅を増やして客を逃がさないようにしよう!
その他、阪神電車は他社との相互直通運転により新たな客層の開拓を行っています。
一方の阪急電車でも新路線の構想や他社との直通運転の構想もあります。
まとめ
昔は阪急と阪神の熾烈な争いがあったが、
阪神大震災の後からJR一人勝ちとなった。
福知山線脱線事故のあと所要時間は増えたが
3社の関係は大きく変わっていない。
*1:いまのJR