今夏はいよいよ東京オリンピックですね。
昨年のラグビーワールドカップではたくさんの外国人観光客は日本を訪れました。
当然、試合会場の周囲は大混雑。
駅の入場制限があったりもしました。
当然ながらオリンピックでも同様の混雑・混乱が予想されます。
そんな中、連節バスが東京オリンピックで活躍するかもしれない!
という話を耳にしました。
今回は連節バスについて、学びましょう。
連節バスとは
アメリカやヨーロッパに旅行した方は見たことがあるのでは?
バスが電車のように2両になっているやつです。
一人の運転士でより多くの客を運べるので効率がいいんです。
なぜ普通のバスを長くしないかって?
単純に長すぎるとカーブが曲がれません。
電車も車両と車両の間が折れることでカーブを曲がります。
あと日本の法律で12mを超えるバスはダメなんだそうです。
連節バスは国土交通省の特例措置を受けて走れます。
※路線限定など
日本にもあった連節バス
2019年にいすゞ自動車や日野自動車が販売を開始しました。
全長は18mあるそうで、鉄道1両程度の長さですね。しかもハイブリッドらしいです。
実は1950年にもいすゞ自動車が1台だけ試作していました。
また1985年に開かれた科学万博つくば'85に際して連節バス100台がボルボから購入されました。
※会場アクセス限定の特例措置
その後、その一部のバス(19台)は東京空港交通に移籍しました。
T-CAT*1と成田空港を結ぶバスとして運行されましたが、
運行経路の制約が多く、のちに廃止されます。
このようにして導入されはしましたが制約の多さと価格からあまり日の目を見ることはありませんでした。連節バスは日本の道路事情には合わなかったのです。
深刻な運転士不足
しかしここ最近になって再び注目を集めるようになりました。
それはバス運転士不足が深刻な問題となっているからです。
一部バス会社ではう終バスを繰り上げるなどを行っています。
もし、連節バスが導入されれば、 一度により多くの客を乗せることができ増便が不要となり運転士の数も減らすことができます。
さらにいうと、連節バスの導入により減便も可能となるかもしれません。
ここ最近連節バスを見かけることが増えました。
特に混雑がひどい路線を優先的に導入しているようです。
(神奈川県や千葉県、岐阜県、兵庫県、福岡県など)
関西では神姫バスが三田で運転しています。
近江鉄道バスは滋賀県で南草津駅と立命館大学間で運転しています。
BRT構想
BRT=Bus Rapid Transit(バス高速輸送システム)
ブラジルで始まったこのシステムが世界に広まっています。
BRTでは次のような特徴があります。
- バス専用車線 or バス専用道路
- 車外での運賃収受
- バス車両優先システム
などによりバスの輸送時間を短くします。
鉄道の廃線跡をバス専用道路にしたり、バスが近づくとそこの青信号を長くし、バスがスムーズに運行できるようにするシステムです。
日本でのBRT導入
鉄道廃線跡などを利用したバス専用道
かしてつバス や ひたちBRT など
他に東日本大震災で不通となった気仙沼線を利用した路線もあります。
バスレーンを走るBRT
名古屋の基幹バス、福岡市のBRTなどがあります。
連節バスとBRT
BRT自体は連節バスである必要はありません。
ただし、BRTというシステムに連節バスを導入すると大量輸送と速達性を兼ね備えるため鉄道の概念に近づくことができるのです。
LRTという次世代の路面電車を導入するよりもコストが圧倒的に安く上がります。
また線路がないため運行の柔軟性も高いです。
これからBRTを導入する計画をしている自治体もあります。
神戸市も神戸空港へのアクセス改善にBRTを検討してます。
東京オリンピックでも会場アクセスにBRT導入予定です。
まとめ
連節バスは日本の道路事情に合わず広まらなかったが
近年の運転士不足とBRT導入により復活の兆しを見せている。
*1:東京シティーエアターミナル