電車に乗るときたまにこの歌を思い出します。中島みゆきさんのファイトです。子供の時にこの歌を聴いて歌詞がすごく衝撃的でした。
ホームの最前列で列車を待つときなどたまに思い出して後ろへ一歩下がってみたり。。
性善説を信じていますがたまに裏切られることもあるようです。
今日のニュース
今回はアメリカのNBC news の記事を使って見ていきましょう。読みにくいところはありませんので、さらっと読んでみてください。
だいたい意味は取れたのではないでしょうか?わからない単語があれば確認してください。
disturbというのは「邪魔をする」と覚えている方も多いと思いますが、その形容詞の disturbing は、人(の心)を煩わせる → "不穏な" という風に使われます。disturbing news とか a disturbing rumor などがあります。
end up ~ing は高校でも習いましたね。結局~する羽目になるという意味です。end up の後ろは目的語なので、名詞または動名詞が来ます。通常は若干ネガティブな内容になることが多いのですが、今回の記事ではポジティブな結果でしたね。
ニューヨーク地下鉄で
今日の記事をまとめると、Union Square 駅で電車が接近中に女性が線路に突き落とされましたが、幸いにもレールの上ではなく、レールとレールの間に落ちて、頭を低く保ったため、列車に轢かれることなく済んだという内容でした。
犯行はビデオカメラにすべて映っており、直後にホームレスの男が逮捕されました。
実はNYで同様の事件が最近増えているようです。本当におぞましいですね。突き落とし以外にも、地下鉄内での殺人事件も今年に入って12件あったそうで、急増と発表されています。
お金を要求されて断ったら・・・というのもあるようです。
背景にはやはりコロナも関係しているようで、リモートワークなどで地下鉄利用者が減ったことで、周囲の目が行き届かず犯行に及ぶことが増えたとされています。
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日本でも起こる
当然、こういうニュースを見ると、日本はどうかとなりますが、日本でも起こっています。
上の図は国土交通省が出しているホームからの転落の原因のグラフです。ホームからの転落というのは、列車との接触したものは含まれません。つまり、自殺や突き落とされて列車に轢かれたものは含まれていません。
旅客トラブル(図の灰色グラフ)でホームからの転落は平均して15-20件/年 発生しています。これがすべて突き落としとは言えませんが、ほぼほぼそうでしょうね。
実際、線路突き落としでググると結構出てくるものです。怖い怖い。
というか、緑の酔っぱらいで転落多すぎでしょ。
ホームドア設置
当然、これらの転落事故や飛び降り自殺などを防ぐ一番手っ取り早いのはホームドアになるわけです。
日本でもホームドア設置が徐々にではありますが進んでいるのは都市部で鉄道利用されている方はお気づきですよね。
昨年度末までに日本全国で858駅に何かしらのホームドアが設置されました。日本全国には9200以上の駅がありますので、約9%になります。
韓国から来た人と話していてよく聞かれるのが、日本の鉄道はなぜホームドアがないのか?というものです。
実際ソウルメトロでは全駅にホームドアが設置されています。その他にもシンガポールや台湾などアジアでは広く設置が進んでいます。
なぜ日本は導入が遅いのでしょうか?
費用問題
当然、まずお金の問題があります。しっかりしたホームドアを設置するには大金がかかります。東京のJR山手線のデータでは1駅当たり約10億円かかるといわれています。
このような大金は国有鉄道や市営鉄道などであれば予算が組めるのかもしれませんが、民間の鉄道会社では一気に全駅というのは厳しいですね。日本は世界と比較して私鉄がたくさんあって鉄道王国といわれますが、それぞれの会社がこんな大金を出せるわけがありません。
海外で進んでいるのは、国有だったり市営だったりのところが多いです。ソウルメトロもそうですね。なので日本では、市営地下鉄や新幹線、JRなどから徐々に増えていくのでしょう。中小私鉄や地方鉄道は利用者の数を鑑みても設置しないかと。
駅構造の問題
作りたくても作れないというのもあります。あまりに古い駅で、ホームドア設置に難があったり、ホームが狭すぎる場合もあります。特に日本では100年以上の鉄道会社なども多くありますからね。
車両の問題
あと、同一線内でも車両によって3ドア車や2ドア車や4ドア車があります。それらすべてに対応するのは難しいのです。三菱重工が「どこでもドア」と名づけて京急で試験を行っていました。
JR西日本が導入したものは昇降式で、しかもロープでできた簡易なホームドア。これは写真で見てわかる簡易なもので費用は1駅ホームに設置しても2億5000万円ほどと大幅に価格を落とせます。
さらに、ドア数の違う車両にも対応できるようになっています。JR神戸線や京都線は3ドア車と4ドア車が交互に現れるのでこのタイプは合っているのでしょうね。
所要時間が延びる
駅に着いたら、ホームドアと車両のドアを少しタイミングをずらして開けます。閉めるときもそうです。こうして10-15秒ずつでも各駅で停車時間が延びると、ちり積もって全体として数分の所要時間延長になります。これは利用者にとってもデメリットですし、競合している鉄道会社があれば大きな問題です。
あと、オーバーランってご存じですか?たまーに電車が停車位置を行き過ぎてバックするの見たことありますか?あれです。
雨や雪でレールが滑りやすいときとかに起こりますが。停止位置修正するには総合指令部に連絡して許可を得てから行うので、遅延の原因になります。(京急は一瞬みたいですがw)
なので、1mとかのレベルで乗り降りに支障がないとそのままのこともあります。乗客が少し動けば乗れますからね。ところが、ホームドアを設置すると1mでも停止位置を修正しなければ乗れません。
自動運転との相性
列車の制御で主に使われているのはATS*1です。
鉄道の信号って色で制限速度を示しています。例えば青は供された最高速度での運転可、黄色は少し前に電車がいるから『注意』45~65km/h以下*2で走行、赤はすぐ先に先行列車がいるので『停止』です。
赤信号を無視すると前の列車とぶつかるので、ATSで自動的に停止させるというものです。これが一般的に普及しているものです。
さらに進化していき、ATCは信号やカーブの制限速度を超えそうなら自動的に制限速度まで落とします。新幹線などに使われています。
もう一歩先にあるのがATOで完全自動です、運転士は座っているだけでボタンを押せば終わり。これは天候に左右されない地下鉄などは導入しやすいということで地下鉄に多いです。
ホームドアは、地下鉄などでATOがあるものならオーバーランも起こらず相性がいいということですね。
こうしてみると、日本でのホームドアはまだまだ時間がかかりそうです。
冬になって増える人身事故を減らすためにもホームドア設置は鉄道王国・日本には必要なものですね。
では、また(^^♪