私達の生きる地球は、自転しつつ太陽の周りを公転しているということは小学生でも知っている事実です。
この自転の軸がズレて行っており、どうやらそれは人類のせいだというお話を今回学んできましょう。*1*2
自転と公転
まず、基本のおさらいから。
昔から方角を知るときに目印となったのは北極星です。なぜでしょうか?
他の星は動くのに、北極星(ポラリス)は動かないからです!
実は、他の星が動くのではなく、地球が回っている(自転)から他の星が動いているように見えるだけです。
北極星が動かない理由は、北極星が地球の自転軸、つまり中心線上にあるので、動かないのです。
地球の自転軸は、北極と南極を結ぶ線で、この軸を中心に1日に1周しています。
そして、その地球は太陽の周りを1年かけて公転しています。
で、この公転面を元に考えると、地球の自転軸は23.5°ほど傾いているのです。この傾きがあるからこそ、時期により日照時間が変わり‘季節’があるわけですね。
ちなみに、自転は英語でrotation、公転は英語でrevolutionです。革命やなw
では、本題にいきましょー!
31インチ
Geophysical Research Letters という科学雑誌に掲載された韓国からの論文によると、地球の自転軸は1993年から2010年の17年間に31インチ(約78cm)東にズレたというのです。
その原因は、人類の活動により、水資源の配置バランスが変わったからだと。
水が地球の自転に影響を与えることは2016年に解明されました。
しかし、氷床や氷河の溶解だけでは、17年での31インチのズレは起こり得ないのです。
そこで、他に水の配置が置き換わるものとして、人類による地下水の汲み上げに着目したのです。
それでは、この話をもう少し詳しく見ていきましょう。
明らかにおかしい
2021年3月に発表された研究*3によると、1995年以降、急速に地軸が動き始めたというのです。
太陽の周りを23.4°傾いて公転している地球は、”よろめき”ながら自転していることがわかったのです。
なぜ、そうなるかというと、地球の重さが均一でないからです。
例えばコマを回したときに軸を中心に安定して回るのは、コマの重さが均一だからです。
しかし、もし右半分だけ少し重ければどうでしょうか?コマの回転軸はブレブレでまわることになるでしょう。
地球の自転にも同じことが言えます。
地球自体の内部も、溶岩が移動し、そのエネルギーも常に変化しています。
その溶岩が大きく移動すると、地球全体の質量バランスが変わります。同様に地球表面における水の配分も、質量バランスを変えうるのです。
気候変動
衛星データを見る限り、1990年代半ばまでは、自転軸はゆっくりと南の方向へと向かっていました。
しかし1995年頃からは、自転軸は急速に左側に向きを変え、1年に約3.3mmずつ東に向かっているようです。
この自転軸移動の速さは、1981年から1995年までと比べて17倍の速さでした。
この時に地球の表面上の水はどう変化したのでしょうか?地球温暖化で氷の溶解は進んでいるようですが・・・
実際、グリーンランドでは1992年以降、4.2兆トン以上の氷が消失し、全世界の海面は約1cm上昇しました。しかも、この氷が溶けるペースは、1990年代には年間360億トンだったものが、ここ10年では年間2800億トンと7倍にまで上昇しているのです。
南極の氷河の融解も加速しており、1980年代当時、南極から1年間に失われた氷の量は400億トンでしたが、ここ10年では年間2520億トンにまで跳ね上がっているのです。
地下水の汲み上げ
そして、もう一つ水の移動が起こるのが、人類による地下水のくみ上げでしたね。
飲用や農業用に地下水をくみ上げると、これらの水は最終的に違うところに排出され、地球の質量配分を変化させます。
1950年代以降、くみ上げられた地下水の量は20兆トン近くに達するとされ、自転軸がブレるのも十分に影響を与えそうです。
もちろん、水による地球の質量配分への影響は他にも考えなければいけません。
例えば、豪雨や干ばつもまた質量バランスを乱す因子となります。
1日の長さが変わる
地球が1回自転するのに約24時間かかります。先程まで見てきたように自転軸がズレることで、その時間が変わるかもしれません。
つまり、1日の長さが変わっているということです。
ま、実際は数ms(ミリ秒)だけ長くなっています、もち気付けないレベル。
専門家も地球の規模を考慮すると”微々たる変化”であると言います。
人類の繁栄のための活動による環境汚染は、地球温暖化をもたらし、水資源の配置まで変えてしまい、地球の自転にも影響を与えているのがよくわかりました。
では、また(^^♪