マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

MENU

『ゼロコロナ』の国の最近

日本は連日、新型コロナの"感染者数" 記録更新のニュースが続いております。国民に強制をできないユルユル国家なので抑え込むのは大変です。日本の合い言葉は "with コロナ" ですね。というか、これしか方法はないんです、日本の現状では。

かたや、しょっちゅう引き合いに出される韓国では、同じく増加傾向ではありますが、今日の発表で国全体で208人です。何回も過去に書いたとおり、MERS (2015) を食らったときに感染予防法を改正し、罰則付きの隔離措置などが可能なのです。

さらには、北朝鮮とは一応まだ『戦争中』なので、日本とは国の権限の強さが違います。感染をコントロールするには日本や欧米などの”自由な国家”よりもある程度社会主義の方がやりやすことがよくわかりますね。

韓国のコロナ対策

www.multilingual-doctor.com

ところで、with コロナではなく、"ゼロコロナ" を掲げた国があるんです。そう、中国です。最初、武漢から始まりましたがいつの間にか・・・

f:id:jonny1205:20201114194243p:plain

中国は "ゼロコロナ"

ま、0ではないですが、ほぼ0といっていい状態ですね。(中国は最初から無症状陽性者はカウントしません) 報告数の真偽は知りませんが少ないことは間違いなさそう。

さて、今回はこのゼロコロナの国の最近の情勢を見ていきましょう。

f:id:jonny1205:20201114194501p:plain

今日のニュース

さて、例によって英字記事を読んでそこから色々と話を広げていきましょう。とりあえず読んでみてください。

f:id:jonny1205:20201114194550p:plain

NHK world より一部引用・改変

いかがでしょうか。文法的に難しく読みにくいところはないと思います。

ですので、今回は英字記事によく出てくる単語をチェックしておきましょう。 condemn という単語は政治記事では頻出です。 criticize とか rebuke なんて単語も同じように使われます。

あとは、緑字の黄色下線部です。この表現は、『内政干渉』に当たる英語です。英字記事で、特に中国の記事で出てきます(笑)よその国の教科書や靖国参拝は文句言うけれど、自国のことを言われるとこの必殺技を使うということですな。

 

4人が資格剥奪

日本ではあまり報道されていませんが、欧米ではこのニュース結構流れています。そして各国のリーダーは中国の対応を厳しく批判しています。

日本で中国報道は制限されている?

www.multilingual-doctor.com

日本のメディアのタブーで中国政府の意に反する報道はしてないけないんです。

これは元をたどれば国交正常化前にあった日中記者交換協定(1964)の名残です。

f:id:jonny1205:20200726113936j:plain

日中記者交換協定

当時は、このルールを守らないと北京から追放されるので取材ができませんでした。1973年にこの協定は失効しますが、それ以降も圧力があったためいわゆる『自主規制』をしている状態です。

さて、本題に戻って、11月11日ポッキーの日のできごとです。民主化を推進する香港の議員4人が突如、議員資格剥奪となりました。これにより香港の議会の議員のうち2/3以上が中国共産党の息がかかった議員となったのです。つまり中国共産党の意図通り法案を可決できる下地ができたのです。

 

欧米が猛批判

コロナ禍のどさくさに紛れて、一国二制度を完全に無きものとし、香港を完全な中国にしようとするこの動きに欧米からかなり批判が出ています。

今回のこの4人の議員資格剥奪は、今年6月に施行された香港国家安全維持法によるものです。資格剥奪の理由は「香港政府に忠誠心がないため」とされました。

f:id:jonny1205:20201114201721p:plain

香港国家安全維持法

これに対してアメリカ、イギリス、オーストラリアらが強く批判しました。ちなみに日本は「重大な懸念を強めており今後の動向を注視する」とかなりやんわりと。笑

香港国家安全維持法

www.multilingual-doctor.com

ま、中国からのインバウンドで潤っていた日本はあまり強く出れないのですかね~。

さらに言うと、香港は1997年までイギリス領であり、外国企業を誘致しまくり、ヒト・カネ・モノが集まってきてたんです。ところが中国の今のような動きで、「香港から欧米金融機関が撤退したら、日本に移転するのでは?(^^)ノ 」という可能性もあるからなんとも言えない立場なのかもしれません。

 

チクりも当たり前です

今年8月に国家安全維持法違反で初の逮捕者がでました。それはある新聞会社の創業者でした。この新聞記事の論調は中国政府に批判的であり、「国家の安全に危害を加えた」という理由で逮捕されました。

香港での言論統制がどんどん進んでいます。ついには一般市民まで来ました。

香港警察がつい先日、とある窓口を開設しました。

f:id:jonny1205:20201114203717p:plain

密告専用ホットライン

もう、これは、ヤバいですね。僕もこんな記事書いてたら即逮捕ですわ。笑

 

 アメリカの混乱

さて、このタイミングで中国が香港に仕掛けたのはなぜでしょうか?

色々理由はあるでしょうが、1つはコロナでしょう。世界中でコロナは感染拡大している状況で、各国が以前ほど中国を牽制している余裕がないことがあるでしょう。

また、中国内では流行は抑えられているとしながらも、コロナを理由に集会を禁じるなどして反対デモなどが起こせない状況でもあるのです。(起こせば逮捕)

f:id:jonny1205:20201115091804p:plain

このタイミングで物事を推し進める背景

そして、中国の主敵だったアメリカの状況でしょう。すべての州で大統領選の開票が終了し、一応バイデン候補が勝利となっていますが、トランプ大統領は選挙に不正があったとして複数の州で裁判を行なっております。

つまり、正式には時期大統領は決まっていないのです。この状況では、来年1月20日の大統領就任までの3か月ほどアメリカ政府が今まで通りには機能できないということです。中国がこのスキを狙ったのは明白ですね。

 

隠蔽体質がまた一つ

中国の”新規感染者”は当然正確とは思っていません。国が『感染者数は〇〇人である』と決めたら、そうなる国です。

ところで、この新型コロナが武漢ウイルス研究所から流出してしまったという話はかなり有力だと思っています。(一般的には否定されています)これについては以前何度も書いています。

新型コロナの成り立ち

www.multilingual-doctor.com

 2015年にアメリカの国立衛生研究所(NIH)から370万ドル*1の資金援助を受け、コロナウイルスの研究を行なっていたのは事実です。ここはP4施設といって一番危険なウイルスを扱える研究室です。つまり、相当な感染対策が施された施設です。ところが、2017年頃からウイルス流出の可能性があると指摘されてきていました。

f:id:jonny1205:20201010204117p:plain

アメリカから中国に外注

これとは別の話になるのですが、2019年の夏に甘粛省にある製薬会社の工場からワクチン製造中にブルセラという菌が流出し、200人が感染したというニュースがありました。ブルセラ症は日本では1970年代に撲滅されました。主な症状は熱、下痢、嘔吐などです。

ところが、1年以上経って、つい先日になって実際は6000人以上が感染していたということを当局が発表しました。

このニュースでわかることは、中国当局の隠蔽体質は現在進行形であること、菌やウイルスを扱う施設から流出が起こる国であること。この2点ですね。

 

日本も原発事故の時はかなり隠蔽体質だと批判されていましたし、どの国もある程度の隠蔽はあると思います。

こうなると何を信じていいのやら。。。笑

 

では、また(^^)ノ

 

なぜいつも中国から?

www.multilingual-doctor.com

 

*1:約4億円