ついに通知がやってきました。もちろん強制ではなく、希望者のみと。
いよいよ日本でも2/17よりワクチン接種が始まります。
- 日本のお家芸
- 医師も意見は色々
- 現在のワクチンの状況
- mRNAワクチン
- ウイルスベクターワクチン
- 筋肉注射を2回
- 有効性と安全性
- 副反応は?
- 天秤にかけて考える
- ワクチンに不安があるなら・・・
- まとめ
日本のお家芸
内部の通知文を曝すのは、怒られるのでもちろんしませんが、大まかなポイントだけまとめるとこのようになります。
医療従事者から打つというのは世界的にも同じ流れです。そりゃそうですよね、一番接触のリスクが高いわけですから。そして接種費用についても国が払うので私たち国民は費用が掛かりません。
「強制ではない」と。しかし、最後の黄色下線部”国から示された情報を元に個人で判断しろ”ってとこですよね。これこそまさに日本のお家芸『責任逃れ』です。
メールにPDFだけ添付して、それ見て決めろというものです。もちろんデータなど書いてありますが、どうでしょう?医師はある程度、読んで判断できるかもしれません。
事務の人がそのデータだけ見て判断しろというのは無理でしょ!笑 事なかれ主義のお役所仕事と言えますが、ま、今の状況ではしゃーないんですかね~
医師も意見は色々
医師の中でも打つって人と打たないって人がいます。ただ、医師では頑固者が多いのも事実で、「俺は打たん!そんな得体のしれないもの」なんていう人もいるんです(笑)
春以降は一般の方も、高齢者から優先的に接種が始まります。いま、得られる情報をわかりやすく伝えるのも医師の役目です。これがあって初めて判断材料となります。
日本感染症学会の現時点での見解などを元に説明していきますね。
現在のワクチンの状況
日本が締結したワクチンは3社です。ファイザー、モデルナ、アストラゼネカです。まとめると以下のようになります。
これら以外にもJohnson & Johnsonや日本国内でも塩野義製薬やアンジェスなどが開発中ですが契約はまだです。
さて、話は戻って、作り方がファイザーとモデルナがmRNAを利用、アストラゼネカはウイルスベクターという方法です。ま、こんなん知る必要ないですが、一応ザックリだけ説明を。
mRNAワクチン
メッセンジャーRNAというのは、DNAの設計図みたいなもんです。新コロのスパイク蛋白*1の設計図を体内に打ち込んで免疫反応を起こさせるというわけです。
長所は短期間に大量生産が可能なのと、実際のウイルスそのものを使っていないのでワクチン接種により新型コロナになるということはありません。
問題としては、超低温での保管が必要となることと、新技術なのでまだわかっていない免疫反応が起こる可能性も0じゃないってことですね。
ウイルスベクターワクチン
アストラゼネカのワクチンは無害化したアデノウイルスを"運び屋"として使います。その中に新コロのスパイク蛋白を注入したものを接種し、免疫反応を起こさせるというものです。
メリットはなんと言っても安いんです、さらに冷蔵保存できるので保管が楽です。
こちらは一応エボラワクチンにも使用された実績があります。
『アストラゼネカのワクチンは65歳以上には効果がない』とフランス政府の発表もありました。どうなることやら。
筋肉注射を2回
とりあえず、ファイザーとモデルナが最初に日本で使われるのでmRNAワクチンを念頭に説明します。これらは3-4週間の間隔をあけ合計2回筋肉注射をすることになります。
ちなみにJohnson&Johnsonが開発中のワクチンは1回接種でいいようです。
筋肉注射ってのはニュースなどで接種シーンを見たと思います。上の写真のように肩の少し下にブスッ!と刺すやつ。「もう少し優しく打ってあげなよ」と日本人的には思うわけです(笑)
実は、ワクチンはほとんど筋注でやるのが海外では主流なんです。こっちの方が副反応が少ないとされているんです。ところで日本ではインフルエンザワクチン皮下注射ですね。
これは1970年代とかに筋注で筋拘縮が多くなり、社会問題になったからです。いつものメディアの騒ぎ立てですね。( ;∀;)
▼ネガキャンとワクチン▼
いずれにせよ今回の新コロワクチン接種は筋注で行うことになります。
有効性と安全性
ワクチンはこの2つの指標で見ます。安全で有効なワクチンがよいワクチンです。
ファイザー、モデルナともmRNAを用いたワクチンの有効率は臨床試験で90%以上という報道がありましたね。ちなみにインフルエンザワクチンは50%くらいですからスゴいですね。
ところで、この有効率90%というものは多く勘違いされています。これはメディアが”予防効果”という風に言ったからです。それは間違いです!
この90%というのは接種した群と接種していない群のうち、感染した人の数が接種した群で90%少ないという意味です。頭がこんがらがったら上の図を見てください。
つまり1万に打てば9000人が感染しないのではなくもっともーっと少ないんです。だって打たなくても感染しない人もたくさんいますからねー。
国民の約1/3が接種したイスラエルでは2回接種が終わった人が陽性となる割合は1万人に1人だけだった、つまり、接種による予防効果が大きかったという希望にあふれる結果も出ています。
次に、安全性で問題となるのはアレルギーですね。アナフィラキシーショックでは、打った直後~15分ほどで血圧低下や、失神することもあります。その割合も、CDCの発表では20万回に1回と高くありません。
また、mRNA自体は長く体内には残りません。だから長期で問題となるのはmRNAを包んでいるのLNP(脂質ナノ粒子)というものです。これの長期的な安全性はまだわかっていません。炎症を引き起こす可能性が指摘されています。
副反応は?
アナフィラキシーというすぐに処置が必要な重篤な反応はまれなことはわかりました。ではそれ以外のものはどうでしょうか。
mRNAワクチン接種の8~9割の人が接種後の疼痛を訴えています。アストラゼネカの方は5割くらいが疼痛を訴えました。ちなみにインフルエンザワクチンでは20%くらいですから、それよりはかなり高いですね。
発熱についてはmRNAワクチンでは、1回目は少なく、2回目の接種後に10-17%が発熱しています。
一方、アストラゼネカのワクチンでは1回目に24%と非常に高い数字となっていますが、これらはすべて55歳未満の若い人で見られたようです。若く免疫反応が強いんでしょうか。2回目は全年齢層で0%でした。
いずれにしてもインフルエンザワクチンよりも発熱しやすいのは特徴としてあります。
その他で倦怠感と頭痛も比較的高い割合で出ているのも今回のワクチンの特徴といえます。ファイザーやモデルナは2回目の接種後に増える傾向、アストラゼネカは1回目に強く出る傾向にあります。
天秤にかけて考える
どんな薬でもそうですが、いい面と悪い面があります。ワクチンも同じです。重要なのはその天秤がどちらに傾くのかで決めるのがいいです。
少なくとも有効率が高いこと、アナフィラキシーなどの重篤な副反応の頻度が高くないことはわかってきました。あとは、自分のリスクと照らし合わせて、発熱・倦怠感・疼痛などの副反応を受け入れるに値するか。。
医療従事者のようにコロナ患者と接する機会が多いとか、高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすいので接種が望ましいですね。
一方で過去にアナフィラキシーショックになったことがある人などは慎重になるべきです。ここから先は個人の判断となります。
「若くて病気ない人は、感染しても軽症で済むことがほとんだから打たない!」という人もいるでしょう。それはそれで個人の自由です。
ちなみにWHOは妊婦の接種は推奨しないとしています。それは、妊婦でのデータがないからわからないというものです。アメリカの産婦人科学会は、妊婦は感染すると重症化する可能性が高いことも考慮して自己判断するように言っています。
イギリスやカナダでも妊婦への接種は推奨しない立場です。ちなみに日本産婦人科学会は、医療従事者や、基礎疾患がある人などは打つことも考慮してよいとしています。
その場合、赤ちゃんの器官形成の終わる妊娠12週以降で打つようにとしています。
生ワクチンではないので理論上は妊婦や胎児に影響はありません。しかし、どうしても不安というのであれば、妊婦ではなく、周りの家族が打って妊婦を感染から守るようにしましょう。
ワクチンに不安があるなら・・・
「だいたいの話はわかったけれど、やっぱりワクチンを打つのは不安だ」という方もかなりいるのではないでしょうか。お気持ちは十分にわかります。
またニュース、週刊誌などでも副反応ばかりを強調して「危険」だというイメージを植え付けられてしまいます。
もし今打つか迷っているならば、まず"わかっていること"の整理をしてみてください。ワクチンはまだ始まったばかりでわからないこともあります。しかし、この1年のコロナ禍から“リスク”はわかっています。
もし、あなたが高齢者、高血圧、糖尿病、喫煙者、肥満・・・などリスクがある、またはそのような家族と同居しているような状況であれば、打つ方がいいという考え方です。
どれにも当てはまらず、不安があるならば打たないようにお勧めします。
なぜなら、大きい不安を持ったまま接種すると、軽度の副反応や、ワクチンと関係がないようなことが起きても「ワクチンを打ったからだ」と責めてしまうからです。
リスクがあってどうしても打ちたい人も多いのも事実です。そういった人たちのためにも不用意に危険を煽るような記事や、根拠なしにワクチンは危険だと吹聴するようなことは辞めてほしいと願っています。
まとめ
日本でもいよいよワクチン接種が始まります。
有効性は高いことが次々と報告されています。
安全性については、重篤な副作用は低いことはわかっていますが、疼痛、倦怠感、発熱などがインフルエンザワクチンと比べてもかなり高い頻度で現れることがわかっています。
また新しいワクチンですので長期的な安全性はまだわかりません。
自分のリスクはどうなのかをよく考えて、打つか打たないかを決めましょう。
では、また(^^♪
*1:侵入するときの鍵