韓国で尿素水がピンチ!ってのはみなさんニュースで少しはご存知かと思います。
ところで、ただ単に尿素水が足りなくてヤバいというだけではないんです。この問題を掘り起こせば『相当ヤバい』という事実に気が付きます。。
尿素水とは
そもそも尿素水って何か?
お肉などのたんぱく質を取ると窒素(N)が体内に増えるんですが、過剰分は体内でアンモニア(NH3)となって体内をめぐります。
アンモニアは毒なので、捨てなければなりません。その時に尿素に形を変えておしっこに捨てるわけです。
めちゃ簡単にまとめると不要な窒素化合物を捨てるのに尿素は必要なんです。
同様に、ディーゼル車の排ガスにはNOxという窒素化合物が含まれます。これは環境問題でよく耳にしますね。そう、このNOxを浄化するために尿素水を使うのです。AdBlueという商品名が有名ですね。
つまり、バスやトラックなどのディーゼルエンジンでは環境のために尿素水が必要なんです。でないと、発癌性のあるNOxやPM2.5を大気中ににまき散らすことになります。
ちなみに、尿素は農業用肥料にも用いられます。後で重要なので覚えておいてください。
▼PM2.5について▼
電気供給にも影響
さて、尿素水不足が起こるとまずダメージがあるのはバス・トラックなどの輸送です。つまりは、物流が麻痺します。
しかし、問題はそれだけではないのです。
火力発電所も汚染物質を減らすために尿素水を用いるので、ここにも影響が出ます。韓国は日本よりも北にあり冬の寒さは厳しく、冬の電力需要は大きいです。一部の火力発電機はストップせざるを得ない状況*1のようです。
冬のピーク時には大規模停電が起こる可能性も指摘されています。
なぜ韓国だけ?
ところで、日本ではそんな問題言われていませんよね?
実は今回の尿素水不足は中国が尿素水の輸出を制限したからです。韓国は尿素水のほぼすべてを中国からの輸入に頼っていますが、日本やアメリカは自国で作れますから影響していません。
これは日本からのフッ化水素の輸出管理強化のときと同じです。韓国は基本的に儲かる分野にだけ投資をして基礎の部分にはお金をかけません。(※2011年までは国内生産あったようですがやめました。)
韓国が基礎科学分野でノーベル賞をもらえないのもこういう構造だから研究も発展しないという事情もあります。
原料を他国に依存している国は、非常時に脆弱なんです。
もう一つ、韓国ではディーゼル車の割合が16%と高いのもさらに問題を大きくしています。日本の2倍以上とのことです。
世界情勢の影響
実はこの問題、ここ10年の世界情勢が大きく影響しています。ザックリと説明しますと・・・
中国を脅威とせず甘やかしてきたオバマ政権からトランプ政権になり、中国を『敵』とみなし強硬姿勢を持ちました。その後、コロナが世界中に広がり、アメリカ内での中国への強硬姿勢は増しました。
一方で、オーストラリアでは2018年頃より中国への強硬姿勢を取り始めました。実は、中国から野党議員への献金問題など内政干渉が明るみになったことが大きい*2ようです。
また、コロナの拡大と中国の調査への非協力的態度などからさらにオーストラリアでは『反中』姿勢を強めていきました。
バタフライ効果
中国はオーストラリアに腹を立て『豪州石炭輸入禁止』を開始しました。
ところが、これが自らの首を絞めました。火力発電ができなくなり電力不足に陥ったのです。
▼2020年冬・中国の電力不足▼
実は石炭や石油からアンモニア⇒尿素という風に作られます。つまり、石炭が少なくなった中国では尿素を作る量も減ってしまったのです。
先ほど書いたように尿素は肥料にも使われます。中国としてはそちらを優先するので、海外に尿素水を輸出している場合じゃないということで、輸出規制となったわけです。
日本に頼めない
今、韓国は必死で尿素水の輸入先を探しています。オーストラリアから少しだけ緊急輸入できました。
一番距離が近い国、日本にお願いはできないのでしょうか?
いくつかの理由で難しいでしょう。まず、日本は自給自足して少しは余裕があるでしょうが、他国に分け与えられるほどの製造はしていないです。
さらに、韓国では『脱日本』を押しているので、日本に頭を下げるのも世論からの反発を免れません。また、『戦犯企業』と勝手にレッテルを貼った三菱化学にお願いはできないでしょうね。
2015年の慰安婦合意を反故にした文政権ですが、この合意は誰が尽力したでしょうか。仲介したアメリカ、オバマ政権で副大統領のバイデン氏と、日本側は安倍政権で外務大臣であった岸田氏です。
二人の顔に泥を塗った文政権。まさかその2人が同時に国のリーダーになるとは・・・。爆笑問題の太田さん、『ご愁傷様』はこういう時に使うんですよ。笑
▼慰安婦問題の真相▼
中国『自業自得』
一方で、輸出規制をした中国は、『自業自得』と*3言っています。
さらに、韓国の大統領府側のミス*4*5もわかってきたのです。
大統領府の関係者がこのように説明したことが大きな波紋を呼んでいます。
そう、中国が規制をしたのは10月15日ですから、その認識の為、対応が1ヶ月弱遅れたのです。
八方塞がり
頼みの中国からは輸入できず、日本には頼めない。非常にまずい状態にあるのは間違いありません。
国としては韓国軍の備蓄を使うことを検討しています。つまり、『戦時物資』を使おう*6ということです。
これには軍内部から批判が出ています。
尚、韓国軍に備蓄されている尿素水を用いても2日分しか賄えない*7とわかりました。
いずれにしても、北朝鮮とは『休戦中』であり、まだ戦争は終わってないのです!
さいごに
いかがでしたか。
尿素水問題は、実は韓国経済の体制の問題が大きく、依存しきっていた中国にそっぽ向かれたという状況です。
また、文政権になってから、しきりに反日を掲げ、国際合意を勝手に反故にし、日韓基本条約すらも無視する横暴ぶり。
日韓合意で尽力したバイデン氏と岸田氏の顔に泥を塗ったのが、まさかの同じタイミングで2国のリーダーになった。残念ながら、同情はできないですね。
韓国ネットでは彼にはこのような愛称があります。ご参考までに。
ちなみに11月11日夕刻に中国から止まっていた尿素の”一部”が13日に韓国に入ることになったと報道*8がありました。とりあえず、よかったですね。
では、また(^.^)ノ
▼慰安婦像と北朝鮮▼
*1:https://news.yahoo.co.jp/articles/6b475589cce4f25ec18bd4865db5d0676f4cf69e
*2:https://jp.reuters.com/article/au-cn-relations-idJPKBN1JE0JQ
*3:https://news.yahoo.co.jp/articles/2512d414dba7baad4a7e71aefa3b32f73df8f881
*4:https://news.yahoo.co.jp/articles/e9d8f4755ea5ccac602ab5ba5bad83ee0b96013b
*5:https://news.naver.com/main/read.naver?sid1=001&oid=469&aid=0000640165
*6:https://news.yahoo.co.jp/articles/70bac23641f49d7483764ebf1fec22e5639ec873
*7:https://www.kedglobal.com/newsView/ked202111080012?lang=jp
*8:https://news.yahoo.co.jp/articles/660f74cf892e07a08a3fb857dff1929d0025048b