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検察庁法改正案について勉強したら裏が見えてきた

検察庁法改正案、一から学んだら物凄くややこしくてすごい時間がかかり更新が遅れました。しかし、せっかく自分の時間を惜しんで学んだことなので、この問題の本質を分かりやすく解説してみます。

学べばいろいろとこの問題の裏が見えてきました。

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はじめに

サッシー発言

指原莉乃さんが#検察庁法改正案に抗議します のツイート依頼を受けたことや自分がそれをツイートしなかった理由を語りましたね。

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27歳にしてこの冷静さはすごいですね。ファンになりましたわ(笑)

「待つことも戦略」と以前記事で書きましたが、まさにこれがそうですね。今よくわからないからむやみに思いつきの発言しない。自分が影響力のある立場であることをよく理解されていますね。

待つことも戦略

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インフルエンサー

芸能人やスポーツ選手のような有名人はSNSでもフォローワーが多く、影響力をもつのでインフルエンサーと呼ばれます。たくさんの人がそれを見てコメントしたり拡散したりします。

当然ファンばかりでなく、時折アンチからの悪質なコメントなども書かれてしまいます。これは以前から『有名税』などと呼ばれてきました。

しかし、ときに有名税は高くつきすぎることもあります。悪質な書き込みなどで心を痛め自殺してしまう事も現にあります。韓国ではク・ハラソルリが自殺し、指殺人(손가락 살인)と言う言葉までできました。指で文書を打って人を死に追いやるからです。

政治的な内容などを書くと時に悪質なコメントを受けることは多々あります。だからと言って、「有名人が政治の発言をすべきではない」とするのは間違いです。

フォローワーの多いインフルエンサーが問題提起することで普段政治に関心がない人たちもその問題に関心を持つことは重要です。

ただし、自分の『影響力』を忘れてはいけないと思います。極論を言えば、インフルエンサーが真偽を確かめずにfake news を垂れ流し、意図せずそれが拡散してしまうこともあるからです。

 

検察庁法改正案問題

背景を知ろう

健康寿命が延びていることと、少子化による労働力不足から定年延長の話が出たのはここ最近ではありません。公務員でも65歳まで定年を延ばそうという動きが出たのは2008年、すなわち12年前です。

そこから審議を重ねて時間もかかりましたが、2018年にようやく本格的に動き出したのでした。公務員の定年を変更するには国家公務員法を改正する必要があります。問題となるのは、検察官です。

検察官も同じく公務員なのですが、”独立性”を重んじて、公務員法の特別法として位置づけられた検察庁法というもので規定されています。(検察庁法は公務員法の一部と考える人もいます)

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検察官不足は深刻で、検察官も定年延長は必要でありすでに定年が63歳となっています。検事総長というトップのみ65歳が定年となっています。これ重要なので抑えておいてください。

まとめると、公務員の定年を押しなべて延長するには国家公務員法と同時に検察庁法も改正しなければなりません。

検事総長後任問題

定年延長だけなら社会としても必要で問題はないのですが、今騒がれているのは検事総長の後任の問題がごちゃ混ぜにされて報道されているからです。

ご察しの通り、人事と言うのはいろんな人の思惑が働くから問題となるわけですね。

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この図、我ながらわかりやすいと思うのですが、現在の検事総長は稲田さん(63) と言う方です。検事総長は慣例的に2年間勤めますので、この夏で退任となります。しかし、先ほど学んだように検事総長は定年が現行法で65歳なのであと2年はヒラの検事として働くわけです。

その後釜の候補が、東京高検検事長の黒川氏(No.2)と名古屋高検検事長の林氏(No.4)です。この二人は「花の35期」の同期です。通常の流れならばNo.2の黒川氏が検事総長になりますが、なんと黒川氏の誕生日が2月なのです。

つまりすでに63歳に達しており定年退職となるわけです。

この黒川氏は官邸(特に菅官房長官)と距離が近いとされ、内閣は彼を推しています。なんと、文春砲で自粛期間中に朝日新聞産経新聞の記者と賭け麻雀をしていたと出てますね。これが事実ならさすがにアウトですな。

一方の林氏の方は朝日新聞とズブズブな関係とも噂されています。ゴーン氏の逮捕劇を朝日新聞が独占できたのも検察からリークがあったからだと言われています。

また検察OBたちも「政権と距離を取りたい」ので林氏を推す声が多いようです。黒川氏は人脈が広く、検察内で疎まれているという情報も出ています。

発見1:検察官は新聞社と癒着有り?!

後任問題2

さて、検事総長ってどうやって決まるのでしょうか?

検察庁は法務省の管轄なので法務省内で人事を決める?

実は日本国憲法では検事総長も最高裁判所長官も任命権は内閣にあるんです。ただ、過去は慣例的に「法務省内で決めてくれ~」となってそれを内閣が形式上任命したことになっていたわけです。

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安倍政権は黒川検事長を検事総長にしたいし、現に彼がNo.2のポジションにいるので自然な流れと。しかし、黒川氏は2月で定年となるので、稲田検事総長に早期勇退を打診しましたが拒否されました。理由は、そのときゴーン氏の逃亡事件などあり、「引責退任」と受け取られかねないからです。

また、4月に京都で国連の司法会議(コロナで延期)がありその議長を何としてもしたいという気持ちが強かったようです。そりゃ当然ですよね。

発見2:結局は検察のゴタゴタ人事問題だった

法の解釈の変更

そうこうしているうちにIR汚職事件が出てきました。自民党の秋元議員が逮捕されました。この捜査を指揮したのは東京高検の黒川検事長です。与党に忖度せずにちゃんと捜査していますね。

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で、この事件とゴーン氏の捜査途中に検事長が退職して人が変わるのは混乱をきたすということで、法務省側から内閣に黒川氏の定年延長を打診してきたと官邸は言っています。

しかし、問題となるのは検察庁法では定年延長の規定がないのです。国家公務員法では一定の基準で延長が認められています。(今回は省略します)

そこで、国家公務員法の定年延長の規定を黒川氏に適用したというわけです。これが内閣による「法の解釈の変更」ですが、これは憲法で認められており問題ありません

このときの閣議決定で黒川氏の定年が6か月延長したわけです。つまり8月までです。

となると、稲田検事総長の退任時にまだ現職なので検事総長になれる可能性もあります。これがワーワー言われている原因の1つです。

問題点1:黒川検事長の定年延長の根拠となる法

検察庁法改正案

こちらは2022年の4月から効力を持つので、黒川氏の定年延長とは直接的には関係ありません。そもそも公務員の定年延長については長く議論されてきています。

民主党政権時代も動いていた話です。というより、自治労という公務員の組合があってその支持政党は立憲民主党社民党なので、立憲民主党も定年延長は「票のために」絶対進めたい法案なのです。これ重要ですから頭に入れておいてくださいね。

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じゃ、何に反対しているかというと、突如改正案の条文に現れた”特例”という部分です。

黒川氏が次の検事総長になったら2年間、すなわち2022年の8月まで在任します。となると、この改正法案がすでに4月からスタートしており、この特例を使って、「内閣が必要と判断し」黒川検事総長を延長させるつもりだろう。こうなれば内閣に「忖度」が働き、検察の独立性が奪われるという懸念を反対派は訴えています。

問題点2:改正案の特例条項の不透明性

 

今回の騒動を俯瞰

有名人などのツイートなどで盛り上がりましたが、元となったツイートは1つのアカウントで同じハッシュタグを大量に投稿しておりスパム認定され既にBANされています。

なぜこんなに盛り上がったのか俯瞰してみましょう。

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騒ぎ始めたのは毎度おなじみ朝日新聞。なんとしても林氏を検事総長にしたいわけです。

ジャーナリストの須田慎一郎さんは2月の時点でこの話をyoutubeで語っています。さすが ”おじき” です。(わからない人すみませんw)

朝日から始まり、いつも通り野党が便乗して政府批判。誰かがスパムツイートを夜中に大量投稿しトレンド入りすると、またメディアが騒ぐという構図。芸能界でもそのツイート投稿の依頼があったと。

そして、いままで自分たちで人事を決めていたのに急に内閣が(合憲的に)口出ししてきたことに不満を持ち対抗する検察OBたち。

予想外に大きくなり過ぎたわけです。すると何が起こったか・・・

検察庁法改正案公務員法改正案も一旦取り下げとなったたわけです。

安倍政権からすれば別にそこまで重要な法案ではないんですね。これが先送りになって5年かかろうが。自治労の票は自民党とは無縁なので。

ひょっとしたら、黒川検事の文春砲情報を掴んで取り下げたのかも?しれませんね。笑 そこは誰にもわかりません。

ツイッターで動く政治?

日本は間接民主主義とか議会民主主義と言って、選挙によって選ばれた人たちが政治をするわけです。ここを無視してはいけません

内閣が検察の人事に口出しするのは三権分立を崩壊させるなんて言われますが、そもそも検察は「行政」の一部です。内閣と同じ「行政」です。

そして内閣が人事に関与できるのは日本国憲法でそう書いてあるからです。それが時代にそぐわないとか、おかしいというのであれば憲法改正をするしかないわけです。

もし現政府のやっていることがあまりにひどいのであれば選挙で民意を示すのが一番効果があるわけですね。多くの国民が安倍政権に不満があるならば選挙の結果で現れるはずです。

問題点3:ツイッターが「民意」とされたこと

 

まとめ

よく見てみるとただの検事総長の人事のゴタゴタだったわけです。これにいろんな思惑を持った人たちが集まってきて問題を大きくしたということですね。

いずれにせよ、政府は議論の詰めが甘いまま進めた点はまずかったと思います。特例の条件とかもあいまい過ぎます。

いずれにしても今回のコロナやこの検察庁法改正案で多くの国民が政治に関心を少しでももったのはポジティブに捉えれそうです。みんなが投票するようになれば、政治家は「票が命」ですからもっとみなさんの意見に耳を傾けるようになります。

僕自身、「忙しい」を理由に選挙から遠ざかっていましたが、今後行けるときは行こうと思います。

 

ではまた( (^^♪