マルチリンガル医師のよもやま話

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【サク読み】『プチ断食続けたら死ぬぞ』

ダイエット効果や、デトックス効果があり、気軽に始めやすいということで人気のプチ断食。

過去の研究では、プチ断食で血圧が下がるという報告もあります。

今回は、そのプチ断食の危険性を報告した研究について学んでいきましょう。*1

オートファジー

まず、さらっとおさらいを。

プチ断食は、例えば、1日のうちの8時間の間だけに食事を摂り、残りの16時間は、胃に食物を入れないという方法や12時間だけ断食(半日断食)などがあります。

断食の目的はオートファジーにあると言っても過言ではありません。

オートファジーとは

細胞は飢餓状態になると、細胞の中身を分解してそれを栄養源にして生きていきます。こうなると、細胞浄化が起こり、要は新陳代謝アンチエイジング効果があると考えられています。

わかりやすく言うと、『体の内からメンテナンス』って感じで、胡散臭い広告用語で言うと”デトックス”です。

デトックスは詐欺?

ちょっと話は逸れますが、自由診療でデトックスを売りにするクリニックがたくさんあります。

法的な話をすれば、受ける側が価格を知って納得して支払っているので詐欺とまでは言えませんが。。。ただ、医学的な話では、効果が本当にあるのかわからないものを医者が提供するのは倫理的にどうなのかと思いますね。

デトックスは詐欺まがい

人間の体は必要なものは再吸収して、不要なものは排泄するようにできています。いわば、自然にデトックスしているのです。

体から毒素を追い出すと言われるとよさげな響きですが、『その毒素って何?』と聞かれると答えません。笑 非科学的すぎる。

そもそもなぜ自由診療なのかを考えればわかりますが、医学的に根拠がないからです。

医学的に根拠のある”解毒”はアルコール中毒や農薬、何かしらの物質が異常に体内に入った時にそれを排出することです。これらは、何の物質かも特定できています。これが科学です。

サウナでデトックスは無理

汗をかいてデトックスなんて、ひどい話もありますが・・・

人間に不要な有害物質は通常は腎臓や肝臓で代謝されます。汗から排泄されるのは全体の0.02%ほどしかない*2のです。

つまり、サウナであせをかいてデトックスは嘘です。

循環器系疾患リスク

さて、話はプチ断食に戻って・・・

アンチエイジングとか、デトックスとか言われると、めちゃくちゃ体に良い響きで、実践してみよう!という人も多いでしょう。

上海交通大学の研究で、2万人の成人を対象に約8年間での循環器系疾患による死亡を調べました。

プチ断食を長期続けると死にやすい

すると、1日16時間以上のプチ断食をする人たちのグループでは、循環器系疾患で死亡するリスクが91%高いことがわかりました。つまり、1.9倍死亡リスクが高いということです。

研究者の主張では、2−3ヶ月だけプチ断食をするといった、要は減量目的の短期間プチ断食は健康面へのメリットがあるが、年単位など長期間のプチ断食はリスクのほうが大きいと言います。

筋肉量の減少

長期間のプチ断食で循環器系疾患で死亡するリスクが高まるのはなぜでしょうか?

これについては、現段階ではハッキリしたものはわかっていません。

しかし、プチ断食を実践している人たちでは、そうでない人達と比べて、筋肉量が少ないことがわかっています。

要は慢性的なカロリー不足で筋肉量が少ないのです。

プチ断食で循環器系疾患による死亡リスク上昇

そして、筋肉量が少ない人は、心筋梗塞脳梗塞などの循環器系疾患になりやすいというのは過去の研究*3でもわかっています。

筋肉が少ないと血液のプールする場所も減るので夏は熱中症にもなりやすい*4です!

また、空腹に耐える断食などは、体にストレス負荷がかかります。

そうなると、コルチゾールアドレナリンというホルモンが分泌されるのですが、これがまた心疾患のリスクを高める結果になっているのだろうと考えられています。

さいごに

いかがでしたか?

今回はめちゃくちゃ短めのサラッとした内容ですが、世の中にはびこる「デトックス効果」とかいううさんくさい言葉で、有名人インフルエンサーなどがやっているとかで飛びつくことがあるかもしれません。

しかし、やはり極端なやり方は、長い目で見て体に悪影響が出ることが多いです。

糖質制限ダイエットもしかり。

結局は、長期的視点で見て、バランスの取れた食事を意識するのが一番いいということですね。

では、また\(^o^)/