マルチリンガル医師のよもやま話

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コロナでもオリンピックは開催します!に秘められたもの

同じ熟語でも音読みと訓読みで大きくイメージが変わるものがありますね。

今日病院の食堂で見かけた文字『薬味ソース鶏』というメニュー。"やくみ" ならいいけど、”くすりあじ” だったら・・・とどうでもいいことを考えてしまいました(笑)

さて、今回はオリンピックに関するニュースを少し学んでいきましょう。

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来年は開催します!

では、いつも通り英字記事を使って見ていきましょう。

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NHK world より一部改変引用

難しい単語はそんなにありませんので内容は問題ないですね。IOC*1が延期された東京オリンピックは来年コロナの状況に関係なく開催すると発表しました。

さてこの機会に少し単語・熟語の整理をしておきましょう。

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Words and Phrases

regardless of ~ というのは自分でも使えるようになっておいてください。性別にかかわらず、国籍にかかわらず、データ使用量によらず・・・

こういったときに使います。ぜひ思いつく限り例文を作って自分のものにしておきましょう。

延期するは postponeput off も習いましたね?後ろは名詞か動名詞(~ing)です。 to 不定詞はダメです。ニュースで出てくるものでもう一つは defer という単語もあります。少し難しいですが余裕のある方は覚えておくと今後出くわすでしょう。

原因・理由を述べる「~のせいで」も確認しましょう。because of だけを使っていると芸がないので、英語レッスンなど受けている人は積極的に他のものも使って幅を広げていきましょう。

水色太字の前2つは会話でもよく使います。owing toon account of は文で見かける方が多い、やや堅い表現です。あと、『おかげ』というプラスの意味では thanks to も確認しておきましょう。

コロナの状況によらず開催

さて、本題に戻ります。IOCのコーツ副会長(東京五輪調整委員会委員長)が先日フランスのAFP通信のインタビューに応じ「コロナの状況によらず来年開催する」という回答を出しました。

2021年7月23日(金)に開幕する予定で進めているそうです。

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ジョン・コーツ氏

これはオリンピックを楽しみにしていた人たちにとっては嬉しいニュースですね。

ところで、さらに記事を読み進めるとこういうものがありました。

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記事続き 

では、今回の記事からいくつかの『謎』にメスを入れていきましょう。

なぜフランス?

ところで最初に気になるところとしては、なぜ「フランスの通信社」のインタビューなのでしょうか?これを知るにはIOCについて少し知る必要があります。

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IOCの歴史

フランス・パリ7区で生まれ育ったピエール・ド・クーベルタン男爵が古代オリンピックを復活させました。日清戦争のあった1894年にIOCを設立し、1896年にアテネオリンピックを開催しました。

実は彼はフリーメイソンでもあり、IOCの重職に着いた初期メンバーも多くフリーメイソンでした。それゆえオリンピックにも様々な都市伝説が作られていますが、それは各自お調べください(笑)

はい、創始者がフランス人(イタリア系らしい)で、最初のIOCはパリにできました。それゆえ、IOCの公用語は今もフランス語で、第二言語が英語となっています。

ちなみに現在IOCはスイスに移っています。これは第一次世界大戦の影響です。

延期費用って?

一般ピープルの私には『延期費用』というのがピンときません。

TSU〇AYAなどの『延滞料金』や借金の『利子』などは知っていますが、オリンピックを延期するとどんな費用が掛かるのでしょうか?

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東京オリンピック開催費用

 まずもともと2020年に行われるはずだったオリンピックの費用は総額1兆3500億円で、うち約6000億円ずつを東京都と大会組織委員会がそれぞれ出し、残りの1500億円を日本国が拠出するという話でした。

おっと、大会組織委員会と言うのはIOCではないです!

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大会組織委員会とは

IOCはピエール・ド・クーベルタン男爵が作った組織でしたね?各国に常設の支社的なものがあって日本支社はJOCです。組織委員会と言うのは今回の大会の為だけに作られた組織でJOCと東京都が2014年に設置した公益財団法人です。

この暫定的な組織委員会が6000億円のお金をどうやって出すのでしょうか?はい、企業スポンサーからの広告費とチケットの売り上げなどで5000億円ほど、IOCから負担金として850億円(少ないな~)を受け取るなどで賄うことになっています。

ところが、新コロでオリンピックは1年延期になったのです。これから新たに生じるものというのは、期間中のメディアセンターや競技会場の確保(借り上げ費)、人員確保(人件費)に新たな広報活動(広告費)などでしょうか。

特に、コロナ対策にもお金がかかります。観客を減らして入れるなら予想していたチケット収入が大幅に減るのでその補填費も必要となりますし、混雑を避けるために窓口を増やすと警備員を増やす必要もあるわけです。

これらの延期の追加費用は試算では3000億とか6000億ともいわれています。今回IOCが最大で約860億円の追加負担をすると表明しています。

オリンピックは儲かる

なんとしても開催したいのは日本だけではなく、IOCも?のようですね。それはなぜでしょうか?なにやらお金のにおいが・・笑

IOCの収入を見てみましょう。4年ごとに夏・冬2つの大会を合わせての収入は前回のソチ+リオで57億ドル*2でしたが、これは毎大会5億~10億ドル*3ずつ増加しているんです。

IOCの収入の7割以上は放映料ですから、毎大会放映料を吊り上げているわけですね。こうなればたくさん払っている放送局はどんどん口出ししてくるわけです。アメリカのNBCは半分の放映権料を払っていますので、かなり影響力が大きいのです。

東京オリンピックが真夏の7月末~8月にかけて行われるのも、その影響ですね。NBCでは秋になるとアメリカンフットボールやアイスホッケーの視聴率稼げる大きなイベントがあるのでそこは避けたいわけです。

マイナースポーツのため

IOCは値段を吊り上げてお金儲けばっかしてるのでしょうか?夏と冬の大会は元々同じ年にしていたのを、儲けるために1992年から夏冬の大会は2年ずらしたのもそのためです。

先ほども書きましたがIOCの収入が年々増えているのは事実です。だから東京オリンピックもなんとしても開催したい!「もしやフリーメイソンのため??」

ま、それは知りませんが・・・笑

前大会夏冬合わせて6000億円ほど収入があるIOCが東京オリンピック開催に負担金850億円て少なすぎますよね?他の金はどうしてんだよ!!!ってなるところ。。

しかし、IOCが儲けたお金をマイナースポーツなどの各国統括団体に分配しているんです。単独で安定した収入を得るのが難しいマイナースポーツにとってはこの分配金は非常に大きなもので、継続には必要なものなのです。

すべてのお金がそこに使われてるかは知りませんが。

 

本当にお金の話って複雑ですよね・・・

 

ではまた(^^ノ

*1:国際オリンピック委員会

*2:およそ6000億円

*3:およそ530~1060億円