マルチリンガル医師のよもやま話

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腸活したい人のための「オリゴ糖」入門

「最近、腸活はじめたんだ~ オリゴ糖で」

そんなことを言う意識高い系の人は周りにはいますか?

さて、冗談はさておき、過去の記事でもさんざん書いてきましたが、腸内環境は非常に重要です。免疫疾患やがんにも関連し、脳腸相関といって、腸の状態が悪いとうつ病などとも関連することが知られています。

僕も最近、この分野に非常に興味があります。

今回は、基本的な部分を確認していきましょう~~(^^♪

オリゴ糖とは

オリゴ糖」と聞くと、「なんとなく腸に良さそう」「砂糖よりヘルシー」というイメージを持つ方が多いと思います。

では実際には、どんな糖なのでしょうか。

オリゴ糖とは、ブドウ糖や果糖といった「単糖」が、数個から十数個つながったものの総称です。

単糖の数としては多くないので少糖類という意味で、オリゴ糖と呼ばれます。oligoというのは「少ない」という意味です。

オリゴ糖と砂糖の違いは?

ちなみに、砂糖はブドウ糖と果糖が1つずつ結合したもので、二糖類と呼ばれ、小腸でほとんど消化・吸収されてすぐにエネルギーになります

一方で、多くのオリゴ糖は人の消化酵素では分解されにくく、そのまま大腸まで届きやすい特徴があります。

大腸に届いたオリゴ糖は、ビフィズス菌などの「善玉菌」のエサになり、健康に良い影響をもたらすことが知られています。

要は、一言で言えば、善玉菌のエサです。

砂糖との違い

ここまで、ブドウ糖や果糖といった単糖類と、砂糖の二糖類やオリゴ糖の少糖類がでてきました。

それ以外に単糖がたくさん結合したものは、多糖類と呼ばれます。代表例はデンプンやグリコーゲンです。

単糖は分解されやすいので、吸収も早くすぐにエネルギーとなります。つまり、血糖値をすぐに上げやすいです。

結合する糖が増えると、分解・吸収に時間がかかるので、血糖値上昇は少しゆっくりとなります。

ご飯の主成分はデンプンという多糖類です。分解・吸収がゆっくりなので血糖値は穏やかに上がり、穏やかに下がります。だから「腹持ちがいい」のです。

デンプンはアミラーゼという酵素で分解され、小腸で吸収されます。

ここで、謎ですね!多糖類のデンプンは小腸で吸収されるのに少糖類(オリゴ糖)は小腸で分解されずに大腸まで届く。なぜ?

実は、これに関しては、結合の数の問題ではなく、結合自体の問題です。

簡単に言うと、デンプンはα結合というものでつながっており、これはアミラーゼで切られます。

一方で、一部の少糖類(オリゴ糖)は、β結合でひっついており、これを切る酵素を人間は持っていないのです。

こういったオリゴ糖を難消化性オリゴ糖と呼びます。

食物繊維との関係

食物繊維は、「ヒトの消化酵素でほとんど消化されない炭水化物」です。

水溶性・不溶性に分けられ、水溶性の一部は腸内細菌のエサになって善玉菌を増やします。

食物繊維の多くはβ結合しているので、人間は消化できません。

要は、オリゴ糖はβ結合したものもあり、食物繊維に似ていると考えると理解がしやすいですね。

事実、難消化性オリゴ糖も、同じように人には消化されず、腸内細菌に利用されるという意味で、水溶性食物繊維とよく似た働きをします。

ダイエットでよく耳にする炭水化物という言葉があります。

実は、炭水化物を2つに分けると、糖質食物繊維なのです。要は大きい括りでは同じグループとも言えます。

オリゴ糖だけでいい?

ここまで読んでくると、少糖類(オリゴ糖)は、食物繊維のように小腸で吸収されず大腸へ届き、善玉菌のエサになると。

腸活を考えると素晴らしいですよね。ならば、食物繊維要らなくね?

そう考えても不思議ではないですね。

食物繊維は、腸内で水分を保持して便を柔らかくする作用があります。こうして便をかさ増しします。

すると、腸は「あ、便を出さなきゃ」と蠕動運動を頑張ります。

また、食物繊維もまた善玉菌の餌になり、そして、腸に滞在する間に善玉菌が増えるための拠点として働くのです。

まとめると、腸活は善玉菌を増やすだけでなく、腸の動きを保つ必要もあります。

その意味では、オリゴ糖だけでは不十分で食物繊維も必要なのです。

シンバイオティクス

オリゴ糖は、大豆・小豆などの豆類やごぼう・玉ねぎ・ねぎ・アスパラガス・にんにくなどの野菜、バナナ、はちみつなどに含まれています。

伝統的な和食や、豆や野菜をたっぷり使う食事は、知らないうちにオリゴ糖や食物繊維をとりやすい食事、と言えます。

ヨーグルトには善玉菌そのものが入っていて、プロバイオティクスと呼ばれますが、そこに善玉菌のエサとなるオリゴ糖などのプレバイオティクスを組み合わせて、シンバイオティクスと呼ばれる方法が注目を集めています。効率よく腸内環境を整えれます。

また、オリゴ糖や一部の食物繊維からつくられる短鎖脂肪酸は、大腸のエネルギー源になるだけでなく、免疫や代謝の調整にも関わることがわかってきました。

こうした経緯で「腸内環境を整えることが、長期的な健康づくりの土台になる」という考え方が”腸活ブーム”の背景になっています。

とはいえ、ヒトでの研究はまだ途中段階のものも多く、100%人間にも当てはまるとは言い切れません。

しかし、かなりの確率で”いい影響”をあたえるだろうと考えられています。

 

まずは、できることから始めましょう。

今砂糖を使っている一部をオリゴ糖に置き換えるなどが簡単ですね。

 

では、また(^^♪