オミクロン株以降、致死率が低下したこと、また2年以上続くコロナ禍で各国の経済状況が悪化していることなどから、英国をはじめとし、欧米の国々はマスクやソーシャルディスタンスの撤廃、さらには検査も減らしていきました。
慎重な人が多い日本では、今でもマスクをしている人が多く、「マスクしてるの日本人だけ、馬鹿じゃないの」と上から目線の人たちまで登場。笑
今回はドイツの現況を現地の英語記事*1(ドイツ語は初級レベルなもんでw)から学んでみましょう。
コロナ禍は終わっていない
やー、みなさんの気持ちはよーくわかります。「もういつまでこんな生活やねん。」
人々の不満が高まると、政治家は路線を変更するしかありません。しかし、”理由”なく規制撤廃などするとそれはそれで批判されます。なので、オミクロン株の致死率低下を口実に、緩和する流れができました。
ま、日本では暴動はないでしょうが、海外ではロックダウンとか続けてたら暴動起こりかねませんもんね。
我らが日本の特技は、他人の様子をマネすることです。『諸外国の流れに合わせ』れば、それほど大きな批判を受けません。ゆえに、日本も遅ればせながら徐々に緩和しております。
しかし、そんな人間界の事情なんてウイルスからしたら『知ったこっちゃねぇ』です。なんなら、人間さんありがとうとなっている状況です。
世界は決してコロナ前に戻ったわけではありません。
▼コロナを見えなくした英国の現在▼
長距離列車でN95
10月に入って寒い季節がやってきました。これからのコロナ感染拡大を念頭に置き、ドイツでは新たなルールが設定されました。
長距離列車利用時には14歳以上では高性能マスクN95を着用が義務付けられました。今までは、不織布マスクの着用が必要でしたが、さらに厳しくなったのです。
また、近郊のバス・鉄道などの公共交通機関では不織布マスクまたはN95マスクの着用が必要とされますが、こちらは義務ではないようです。
ドイツは他の欧州の国などと比較し、かなり厳しい措置を取っています。
N95マスク
N95マスクというのは、私たち医療者は結核患者さんなどと接するときに使用します。0.3μmの粒子を95%以上カットできる(=通過させない)マスクという意味です。
そう、つまり2μmくらいの結核菌もPM2.5(2.5μm以下)もほとんど吸いません。
欠点は普通のサージカルマスクと比べ値段が圧倒的に高いことと、着けてみればわかりますがめちゃくちゃ息がしにくいです。
なので日常生活使いは結構キツいと思います。。。
飛行機はマスクなしOK
しかし、一方で面白いことがあります。
飛行機内でのマスク着用についてはルールはなく、つけなくてもいいのです。
これは、他のEUの国々の方針と足並みを揃えたということです。ドイツ国内だけの列車やバスには厳しいルールを適用しています。
厳しいルール
他にもドイツには厳しいルールがあります。
病院内や老健施設内ではN95マスクの着用が必要で、入院患者や入居者との面会には陰性証明書の提出が必要となっています。さらに、病院や老健施設で勤務する人は週に数回の抗原検査が必要となっています。なかなか厳しいですね。
感染状況の悪化があれば、州の権限によりさらなる規制がかけれます。例えば、店舗などの屋内施設でのマスク着用義務や、学校や保育園などで検査強化の義務化などがありえます。
過剰対策?
もちろんこのドイツの厳しいルールには過剰対策ではないかという批判もあります。
例えば、老人ホームでは、自室を出て他の入居者と接するときは、N95マスクの着用が必要となっています。
これはさすがにやりすぎでは?という批判が出ています。
というのも、他の人たちにはそのようなルールがないからです。入居者にとってはそこは『家』なわけです。自宅で暮らす高齢者にはそのようなマスク義務はないのに、老健施設を『家』とする高齢者にはこのような負担があることは、少し差がありすぎでは?という声も出ています。
高リスクの高齢者ばかりが集まって住む老健施設ゆえに厳しいルールを設けていますが、やはりそれは高齢者の他者との交流を阻害してしまう可能性があります。
さいごに
いかがでしたか?
いまだにマスク着用しているのは日本人だけ!と大々的に言ってマスクを否定する人たちもいますが、比較的規制の少ない欧州の中でもドイツは圧倒的に厳しいルールを設けています。
理由は簡単で、少なくとも科学的にマスクの効果は認められている*2からです。
しかし、ずーーーっとマスクしとくのは実際大変です。なので、結局はバランスですね。それは人それぞれ考え方があり、決して正解はないのです。
だからこそ国によってルールも違うのですね。
では、また(^^♪
▼コロナを見えなくした英国の現在▼