言葉を分解すると新たな発見がしばしばあります。
私は12月生まれなのですが、12月は英語でDecemberですね。このdecというのは10を表します。
・decagon 10角形
・decade 10年
10月は英語でOctoberですね。この oct は 8 を表します。
・octave オクターブ(ド→ドまでは8音)
・octopus タコ(8本の足の意)
・octane オクタン(C8H18) → ハイオクとはオクタン価が高いガソリン
なんと2ヶ月ズレがあるんですね。
今回はこの秘密に迫ります。
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2ヶ月のズレ
実は昔、イタリア語の勉強をしていました。ラテン語はわかりませんが、イタリア語の親戚なのでイタリア語を用いて説明します。
1~10はイタリア語で uno, due, tre, quattro, cinque, sei, sette, otto, nove, dieci です。これらはラテン語系統ではすべて似ています。
そう9月以降の英語名には2ヶ月のズレがありますね。
ローマ暦
ローマ暦は紀元前750年頃より使用されれている暦です。
その中で12月のDecemberは「10番目の月」の意味でした。ちなみに11月のNovemebrは「9番目の月」です。
当時は正確に1年が365日とは知られていませんでした。そもそも暦が必要だったのは農作物のためでした。
春めいてくると国王が、「今日から新年だ」と宣言していました。というわけで現在の3月くらいから12月までが農作業のために暦がありました。このおよそ300日を10の月に分けたわけです。(各月は30日ずつ。)残りの60日ほどの真冬の期間は「暦のない期間」でした。
その後、この暦のない期間も2つの月に分けて追加されていました。これが、現在の1月、2月となったわけです。
こうして前に2か月分が前に付け足されたため7の月(September)は9月に、8の月(October)は10月に ・・・となったわけです。
ユリウス暦
さて、1年が12ヶ月になってはいたものの月ごとの日数もバラバラでしたが、
現在のように1年=365日、4年に1回 閏年というシステムを確立しました。
ガイウス・ユリウス・カエサルが実施したためユリウス暦と呼ばれます。カエサルは7月生まれだったので、7月の名前をJulius (ユリウス) としました。これが、現在の英語名 July の語源です。
一説によると(最近は否定されている?)7月はもともと30日しかなかったのを、自分の名前が付いた月が他よりも少ないのはよくないとして31日に増やしたそうな。
どの月から1日をもらうか迷ったときに、一番最後に付け加えられた”現在でいう2月”から取ることにしました。そうして2月は30日→29日になったそうです。(あくまで一説です)
アウグストゥスの登場
「ブルータス、お前もか」で有名ですが、カエサルは暗殺されました。その後継者としてアウグストゥスが選ばれました。
彼はユリウス暦の閏年を微調整しました。そのことから8月を自分の名前にちなんでAugustusとしました。これが英語のAugustの由来です。
例によって、8月は30日→31日と変更しました。また例によって最後に追加された2月から1日もらったので、2月は 29→28日になりました。
その分、閏年では2月に1日追加されます。(これも一説です)
まとめ
1~8月の名前は神や偉人の名前に由来します。
そのうち7月と8月はカエサルとアウグストゥスでした。
彼らによりほぼ現在の形の暦ができました。
彼らの調整により2月は短く、7月と8月は31日になったという説もあります。