マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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『”週4勤務”は大成功』のおはなし

働き方改革*1という言葉はよく耳にします。これは、少子高齢化の日本において、今後は労働力の低下が予想されます。

そこで、育児や介護と仕事が両立できるように、などと言った”多様”な働き方ができる社会を目指すものです。

そんな中で最近よく英語圏の会話で耳にする 4-day workweekというものに今回は焦点を当ててみましょう。

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週休3日制

僕も最初この4-day workweekの話を聞いたとき、「そんなに日本じゃ聞かないな~」と思ってたのですが、週4日働く・・・そう、よく考えたら週休3日制のことですね。笑

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呼称から見る社会の差異

あくまで、個人的な考えですが、日本の社会では『仕事』が日常で、そうでない『休み』が特別な扱いになるため、”週休3日制”という言い方が合うのでしょう。

日本語の”働く”という言葉は世界的に見ても珍しく、仕事をポジティブにとらえているなんて言うのは有名な"ネタ"ですね。(笑)

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働くとは傍にいる人を楽にする

このように揶揄されるほどにも日本人は仕事好きな民族だったんでしょうね。

4-day workweek

さて、本題に入りまして、冒頭で働き方改革の目的は『多様な働き方』を模索するという風に説明しました。これが重要です。

この4-day workweekとはどういうものでしょうか。

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4-day workweek

もちろん1つめは、週1日休日を増やすだけのパターン。そして、もう一つは1日の勤務時間を増やして総労働時間を維持したまま週4日勤務というパターンですね。

①の働き方では当然、給料も20%カットになるのでメリットは少なそうですが、給料据え置きとする企業もある*2ようです。たとえばマイクロソフトが有名です。

休みが増えて給料据え置きって最高ですね(笑)そのために、マイクロソフトでは効率アップを求めており、会議の短時間化などを徹底しているようです。

②の働き方に関しては限られた業種しか無理そうな・・・

メリットは?

労働者側のメリットは休日が1日増えることで、例えば通院がしやすくなるとか、育児・介護をしている人にとっても離職を避けられることもあるでしょう。これは、少子高齢化を迎える日本にとって重要です。

また、週1日を習い事や、将来の為の資格取得に向けて学ぶ時間に充てるなど、キャリアアップを目指すこともできます。就業規則が許せば副業で別の業種の経験をすることも将来役立つかもしれません。

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4-day workweek のメリット

つづいて企業側のメリットはどうでしょう。

働き方の”柔軟性”を売りにして、イメージアップ!求職者が増えるかもしれません。

また、8時間×4日/週で支払う給料削減というのもあります。

デメリットは?

一方で、当然ながらデメリットもあります。

労働者からすれば、働く日が1日減ると減収です。先ほど書いたようにごく一部の会社では給料据え置きというのもありますが、稀ですね。

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4-day workweek のデメリット

会社としても、例えば医療・介護職のように決められた人員が必要な場合、雇用人数を増やして穴を埋める必要があります。そうなると社会保障費のコストが増えます。

また、平日の休みが増えるとそれに伴う営業機会の損失や、取引先との連絡などが取りづらくなるなどのデメリットもあります。

また、社員ごとに週休2日と3日とバラバラとなると、シフト制などの業種などでは煩雑さを増します。

オランダモデル

オランダでは既に週休3日制が浸透しています。

実はオランダは1980年代に大不況があり、失業者があふれました。そこで、ワークシェアリングといって一人当たりの働く時間を減らして、たくさんの人をパートで雇い失業者を減らすことにしました。

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オランダモデル

日本では、「この仕事はAさんに」と個人に行くのですが、ワークシェアリングでは分担して行います。

しかし、先ほども書いた通りデメリットとして、労働者の減収、雇用側の社会保障費増加があります。これは政府が減税措置などを行いカバーしました。

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ワッセナー合意

また、パートと正社員での待遇の差をなくすことで、パートで働きやすいようにしました。こうすることで、オランダ病と呼ばれた大不況を乗り越え、その働き方が今にも続いているのです。

アイスランドの検証

アイスランドでの 4-day workweekの検証結果は”大成功”というBBCの記事*3がありました。

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アイスランドの検証は『大成功』

5年間かけ、100社以上に及ぶこの社会実験が大成功だったと世界中に伝わりました。

週40時間から35時間労働に削減することで、生産性が落ちることが懸念されていたのですが、ふたを開けてみれば生産性は変らないかわずかに向上していたのです。さらに労働者の幸福度も向上しました。

重要なのは給料はそのままということですね。短い勤務時間で同じ賃金なら幸福度は当然上がりますが、生産性も落ちていないのが今回の目玉です。

つまり、企業も新たに人材を雇う必要がないので支出も変わりません。これは労働者、雇用側双方のデメリットを打ち消して勤労時間を短縮できると証明しました。

コロナ禍で日本も・・・

先ほど例に挙げた、オランダでは以前からテレワークが普及していました。コロナ禍で日本国内でもテレワークを導入する会社が一気に増えました。

コロナにより日本での働き方自体が変わろうとしています。

テレワークに慣れると、会社で「時間に縛られる」働き方への違和感が芽生え始めた人たちも増えました。

これから先に取り入れたい働き方に関するアンケート*4では約25%が週休3日制度、また約24%がテレワークと答えています。

さいごに

いかがでしたか。

コロナ禍で日本でも働き方への改革が進もうとしています。4-day workweekは、生産性を落とさず、労働者・企業側の双方のデメリットなく成功したという検証も出ています。

しかし、実現にはハードルがたくさんあります。

まず企業が、このアイスランドの実験結果だけを元に給料据え置きを許可するか。また、逆に、労働者側が賃金減っても週休3日制を受け入れるかです。

そして、顧客獲得のチャンスを減らすことになりかねない週休3日を企業が受け入れるだろうかという点も。

実際このような働き方ができるのは、公務員など職種が限られるのではないかな~と思いました。

 

では、また(^.^)ノ