マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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ゼレンスキー大統領の正体

大国アメリカに引けを取らず、上手とは言えないけど通訳なしで英語で自国の主張をしたゼレンスキー大統領(47)。

通常、母国語が英語でなければ、語学力による誤解などが生じてはいけないので通訳を挟みます。

通訳を挟むことで、時間を置けるので感情的にならないで済むという理由もあります。

それはさておき、今回はこの人についてもう少し知ってみましょう。

ウォロディミル

ゼレンスキー大統領のファーストネームはウォロディミルと日本では言われます。

英語のニュースを聞いていると、Volodymyr【ヴォロディミア】と発音されますが、戦争相手のロシアのプーチン大統領のファーストネームはウラジーミルVladimir【ヴラディミア】)なので、非常に似ていてややこしいなと思っていました。

実は同じ名前だった!

実は、この2つの名前は全く同じなのです。

ロシア語読みでは、ウラジーミル・ゼレンスキーと読みます。

地理的に隣同士で、さらに昔はソビエト連邦だったので、当然言葉も似ているし、生活習慣、名前だって似ていることでしょう。

ウクライナ

ウクライナという国は西側は農業メインで、東側は工業メインで、東側の方が実は栄えているんです。

で、東側はロシアに接するので、ロシアから大量の定住者もおり、ロシア語話者が多いです。

ゼレンスキー大統領も、生まれはウクライナ東部ですので、母語としてロシア語をしゃべっていました。つまり、元々ウラジーミルだったんです。

ロシアがウクライナを欲しがる理由

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芸能活動

小さいときから話芸が得意で、古くからあるロシアのバラエティー番組(ウクライナ東部でも放送されている)に出演し、ウクライナのアマチュア代表にまでなっています。

大学では法律を学んだあとも、話芸を生かすために芸人になることにしました。なんか吉本でもこういうのたまに聞きますねw

『ロシア語しか話せない』

しかし、東ウクライナ出身の彼はロシア語はしゃべれても、ウクライナ語があまり話せませんでした。

ウクライナで芸人として活躍するために、猛特訓しウクライナ語を話せるようになりました*1

ロシア語とウクライナ語は同じキリル文字を使い、文法も似ているようです。歴史的経緯からウクライナ語はポーランド語の影響も受けているとな*2

まぁ、僕のザックリしたイメージは、日本語と、すべて漢字とカタカナを使って書かれた韓国語の関係?ですかな。

日本語と韓国語よりさらに近い

さて、メキメキと頭角を現す芸人・ゼレンスキーは、台本を書いたりもし、気づけば屈指の芸人になりました。

その名声は隣国にも伝わり、2008年にはロシアのコメディー映画にも出演しました。

極めつけは、Youtubeにもありますが、話題になった、『象さん』を使ってピアノを弾くというネタがあります。

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政治に関心

ウクライナは東はロシアに、西はEU諸国に挟まれており、どっちに就くか問題がずーっと付きまとう、不安定な政情を持つ国です。

大統領が変わればロシアに近づいたり、離れたりと・・・

NATO vs WPO

歴史を振り返ると、東西冷戦時はNATOWPOが対立していました。

1991年にソ連が崩壊すると、東欧の旧ソ連国はどんどんとNATOに加盟し西側についていきました。

最後に取り残されたのはロシアの隣のウクライナです。

NATOに入れないウクライナ

ロシアはウクライナだけは絶対にNATOに入れたくないし、NATO側もウクライナを入れるとロシアとの戦争に巻き込まれる可能性があるので渋っていました。

そんな中で、ゼレンスキー氏は、西側の自由主義に共感していました。

ドラマが現実化

2015年にゼレンスキー氏はウクライナのテレビドラマ『国民の僕』を企画し脚本にも携わり、主演俳優を務めました。

高校の歴史教師がひょんなことから、不平等な社会を立て直すために大統領になるというストーリーです。

このドラマも、ほとんどがロシア語で話されています。

ドラマ『国民の僕』

先ほども書いたようにウクライナ中東部(首都・キーウを含む)ではロシア語話者が多いことが一点と、最終的にドラマのロシア進出も狙っていたようです。

このドラマが大ヒットし、シーズン3まで作られ、映画もできました。

そして、2018年、ゼレンスキー氏は大統領選に出馬を決めました。

過去最多の44人が立候補する大混戦となった大統領選で、ドラマ人気の力を借りるべく、『国民の僕』と言う名の政党を作り上げました。

圧倒的な人気で圧勝し、2019年5月大統領に就任しました。

未経験

有名人で、『汚職撲滅』を掲げ、当初は支持率も高かったですが、なんといっても彼は政治家としては経験なしです。

ウクライナにはびこる数々の問題にうまく立ち回れるほどの力はなく、当初7割もあった支持率は日に日に下がっていきました*3

イーホル・コロモイスキー氏

そんな未経験の大統領を裏でガッツリ支援していた人物がコロモイスキー氏です。

彼はゼレンスキー大統領も同じユダヤ系なのです。

コロモイスキー氏は莫大な資産があり、ユダヤコミュニティーや、白人至上主義、ウクライナ極右組織に資金提供しています。

ちなみに、コロモイスキー氏はかつてウクライナのある州の知事をやっていましたが、その時に不正蓄財をしたことで、米国ブラックリスト入りで、入国禁止措置が取られています*4

ネオナチ

未経験の大統領の後ろ盾がかなりの白人至上主義であり、ウクライナ国内でも一定数いる『ネオナチ』の極右集団との関係が話題となります。

例えば、アゾフ連隊は、元々は、サッカーチームの過激派応援団でした。

2014年にロシアと接するウクライナ東部で、親ロシア派らによる騒乱が起きました。

2014年 親ロシア派騒乱

その暴動を抑えるために、コロモイスキー氏の資金提供を受け武装化したアゾフ連隊は地域の自警団として機能しました。

その功績を買われ、ウクライナ国家親衛隊になっています。

しかし、もともとは過激なサッカーファンで、一部に極端な差別思想を持つ人たちがいて、

『極右』*5*6とか『ネオナチ』*7の部隊だとも言われています。

こうしたことから、ロシア側はウクライナ政府は『ネオナチ』に乗っ取られており、それにより親ロシア派が差別・虐殺されていると主張し戦争を始めました。

『ウクライナはネオナチだ』

一応、ウクライナも国の正式な軍が、過激派だとマズいので、そういった思想の人たちはどんどん排除したそうですが、一部には残ってるでしょうね。

アメリカも2024年6月まではアゾフ連隊への支援拒否の理由にネオナチ思想を挙げていました*8

ウクライナ侵攻

ゼレンスキー政権は、支持率は低いままコロナ禍へ突入、さらに窮地に追いやられていました。

2021年、ゼレンスキー大統領は、ロシアに併合されたクリミア半島を奪還しウクライナに再編入する方針を定めた大統領令を出し*9、これに伴いNATOとの合同軍事演習を開始したのでした。

コロナ禍で『クリミア奪回』大統領令

これに対抗して、ロシアはベラルーシ(ウクライナの北)との合同軍事演習を行い、北と東からウクライナに圧をかけます。

ロシアは、ウクライナがNATO加盟にしてしまうと恐れ、その前に攻撃開始したと考えられています。

こうした経緯から今回の戦争は『ウクライナが挑発して仕組んだ』と主張する人たちもいます。

ロシアによる侵攻が始まると、ゼレンスキー大統領は戒厳令を出し、18~60歳の男性は全員出国禁止にし、国民総動員令を出しました。80年前の日本や( 一一 ;;)

国民総動員!全面戦争へ

ご察しの通り、これには反発も多かったです。

ロシアに命を狙われるゼレンスキー氏は国外逃亡説が流れましたが、即ビデオを公開しウクライナで戦い続けると発表し、支持率は再度急上昇したのでした。

韓国の『非常戒厳』なにがあった?

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マネーロンダリング

そんな”英雄”である大統領にもある疑惑が飛んでいわいてきました。

国際調査報道ジャーナリスト連合という組織が2021年にある秘匿文書を入手しました。

金融サービス関連の1200万件以上の文書で、『パンドラ文書』と呼ばれます。

『実は俺も・・・』

その中で、UAEやアフリカ諸国のリーダー、官僚ら、ヨルダン国王に、ゼレンスキー大統領がタックスヘイブンを利用してマネーロンダリングをしていることが公表されたのです。

ゼレンスキー大統領は、就任後2年間で8億5000万ドルのお金を、ペーパーカンパニーを使ってこっそりと貯めていたのです。

国の腐敗した政治を正すために大統領になった彼が・・・

 

 

いかがでしたか?

今回はゼレンスキー大統領について学びなおしてみました。

では、また(^^♪