今年の3月にはお隣・韓国では5年に一度の大統領選挙(テソン)があります。今回はこの大統領選挙について予習をしておきましょう♪
君主制と共和制
まずは、この基本を押さえておきましょう。
君主制とは、簡単に言えば王様が国を治める制度です。18世紀末までは世界中ほとんどが君主制でした。日本には皇室、イギリスには王室がありますね。
こうした王が君主で、国のトップですが、基本的には政府に直接関与することはありません。
そして政府の中では、王に仕える人たちである大臣がおり、それらの大臣を取りまとめるのが総理大臣です。
一方で、18世紀末のアメリカ独立戦争、フランス革命以降、独立して君主制から共和制になるブームが起こりました。
共和制の国でのトップが大統領で、これは国民から選ばれます。
海外の大統領が日本の総理大臣よりも国内での権限が強いのはこういった背景があります。
例えばアメリカの大統領は、国のトップであると同時に政治のトップでもあり、日本でいう総理大臣も兼ねています。
韓国の大統領
朝鮮王朝のときはもちろん君主制ですね、その後、日韓併合で日本の一部となりこのときも君主制でした。第二次大戦後、独立した韓国は共和制となり、国のトップは大統領です。
過去にもやりましたが、大韓民国建国の折に、『建国の歴史がない』ため、憲法の前文に”小さな嘘”を書きました。これが反日の根本です。詳しくは過去記事ご参照ください。
▼なぜ韓国は反日か▼
さて、韓国の大統領になるには40歳以上の韓国人という条件があります。そして、国民による直接投票で選ばれ、任期は5年×1期のみとなっています。
そして、現在は第19代の文 在寅大統領ですね。彼についても簡単に復習しておきましょう。
ジェインの誓い
こんな名前の韓国ドラマありましたね。(笑)
さて、文大統領の両親は朝鮮戦争の時に脱北し、ジェイン少年は幼少期は釜山で過ごしました。
▼朝鮮戦争と自衛隊▼
学生時代は民主化運動に参加し、軍事独裁政権に対するデモに参加し逮捕されました。このときの大統領は朴 槿恵(パク・クネ)のお父さんです。
弁護士になった時に、盧 武鉉(ノ・ムヒョン)に弟子入りし、一時は大統領側近にまでなりました。
李 明博(イ・ミョンバク)政権になった翌年、師匠:盧 武鉉氏は自殺しました。このときに文 在寅は政権交代のリベンジを誓いました。
2012年の大統領選では朴 槿恵に敗れるも、2016年の朴 槿恵退陣デモに参加し、弾劾にまで持っていき、ついにはリベンジを果たしたわけです。
ところで、韓国の大統領は辞めた後に・・・って話よく聞きますよね?
韓国大統領の末路
2021年末に、収賄罪などで懲役22年で服役中だった朴 槿恵氏が、特赦で出所しました。しかし、収賄罪などで懲役17年で服役中の李 明博氏は特赦の対象にならず。ま、この辺は文大統領のサジ加減で。
師匠である盧 武鉉を自殺に追い込んだのは李 明博政権だから許せないってのもあるかもですね。
韓国では大統領が就任すると、まず前政権を血祭りに挙げて、支持率を高めます。これが前政権が別の党ならばなおさらです。
歴代大統領で自分または親族が逮捕されなかったのは一人しかいません。なぜこのようなことが起こるでしょうか?
色々意見がありますが、まず大統領の権限が強すぎて、”ほぼ独裁”とも言われていることです。検察や司法の長官も任命する権限があるので、自らの賄賂などは追及されにくいんです。
そして、一族のつながりが強く、親族がその”威を借るキツネ”となって色々します。
儒教では血統を重視し、他の一族を排斥しようとするので、新政権ではまず全力を挙げて前の政権をツブします。これの繰り返しが、政権交代により政治報復となっています。
2022年 大統領選挙
そして、今年3月に5年に一度の대선(テソン)があるわけです。
つまり、文政権もいよいよ終わりを迎えるわけで、次の政権によっては自分の将来も大きく変わってきます。
このタイミングで朴 槿恵氏を特赦にしたのは選挙が関係しているのは誰の目にも明らかですね。
それでは、大統領候補について学んでいきましょう。韓国は複数政党がありますが、基本は2大政党が存在しています。文さんの『共に民主党』と最大野党の『国民の力』です。
李 在明
まずは、現与党『共に民主党』の候補です。
発言が過激で『韓国のトランプ』と呼ばれ*1ています。ムンムンと同じく左派の政治家です。
社会保障政策としては、韓国にベーシックインカムを導入すると明言しています。
そして、対日姿勢はムンムン以上の反日とも言われていて、実際『日本は敵性国家』*2とか、戦争に負けた『日本こそが分断されるべき』とか、その他、多数の類似発言を行っています。
そんな強気の李さんも、スキャンダルがどんどん出てきており、市長時代の開発事業で知人との癒着が指摘されたり、2人をナイフでメッタ刺しにして殺した自らの甥を弁護し『精神衰弱』で減刑を求めたこともあり、謝罪*3に追い込まれました。
また、長男の常習賭博、買春の疑惑が出ており、それについても謝罪しています。
尹 錫悦
最大野党である『国民の力』からの候補は尹 錫悦(ユン・ソギョル)氏です。
彼は、苦労人の検察官で、正義感が強いあまり昔から国に睨まれてきました。
そんな彼が名を挙げたのが、朴 槿恵大統領の弾劾につながった崔順実ゲート事件です。その後、就任したムンムンは彼の功績を認め、検察総長に任命しました。このときにムンムンは、「権力に不正があれば厳正に捜査をしろ」と命じました。
ムンムンは側近の曺国(チョ・グク)を法相に任命(←恐らく今後の保身のため)しましたが、数え切れない疑惑がある”タマネギ男”を尹 氏は追及します!
そして、瞬く間のスピード辞任につながり、文政権の支持率も低下。ムンムンは怒り、あらゆるイチャモンをつけて、尹 氏を休職処分にました。
ま、この国には三権分立なんてありえませんね。
さて、『ムンムン憎し!』の尹 氏にもスキャンダルが流れています。奥さんが私立大学の兼任教授に採用されたときの履歴書に虚偽があったというものです。
この後、野党内でのイザコザもあり、支持率は低下し、一度自らの選挙対策委員会の解散することとしました。
現在の支持率
昨年11月の時点では、尹候補の支持率が李候補を上回っていましたが、お互いのスキャンダルが明るみになってお互い痛み分けをしました。さらに、野党側内部でもめてしまい、ゴタゴタになり、尹候補は支持率をさらに落としてしまいました。
朝鮮日報が先日20-30代を対象に行ったアンケート*4では、なんと2番手に、今回紹介していない安 候補がついています。
彼は医師で政治観は中道とされますが対日姿勢は不明です。
日本にとっては、尹候補が大統領になるのが一番接しやすく関係改善に進むでしょう。そうなると、ムンムンの末路は。。。
李候補が大統領になれば、冷え切った日韓関係が続くと予想されます。
だいたいは状況がお判りいただけましたでしょうか?
では、また(^.^)ノ