マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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『なんだコリァ!』K防疫の崩壊の原因

世界中でオミクロン株による感染急拡大が見られ、重症化しにくいけど、”数の暴力”で死者は結果的に増えています。

そんな中、韓国では1日の陽性者数が60万人を超えました。いったい何が起こっているのでしょうか。

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感染大爆発

「東アジア人は遺伝子的に感染しにくい」などという言説がありましたが、これはもう信じるに値しないかもしれません。韓国の今の状況は世界でダントツです。

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人口100万人あたりの新規陽性者数

韓国は欧米をはるかにしのぐ勢いで増加を見せています。一体何が起こっているのでしょうか?

3月17日、新規陽性者数は62万1328人、死者は429人となりました。韓国の人口で429人は日本人口で換算すると1000人以上です。

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新規陽性者数と新規死者数

韓国は検査数が非常に多いとしても、死者で比べてみると、日本は最近1日死者数は150~250人くらいで最多も2月22日の322人*1でした。

火葬場が満員

死者が増え続けて火葬場も満員*2という記事もでています。

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死者急増で火葬場が満員

火葬場が見つからない場合も出ており、国や市は公設火葬場の運用時間を延長して対応しています。

オミクロン株は従来株と比べると重症化しにくいのは事実ですが、感染力がえげつないため、最終的に死者は今までになく増えています。

私たちもオミクロン株を軽視せずに、この事実はしっかりと認識する必要があります。

K防疫の崩壊

そもそも、世界に誇るK防疫というのは検査+隔離の徹底であり、わざわざ名前を付けるほどのもんでもないんですが、いずれにしてもK防疫は破綻しているとさすがに韓国のメディアも主張しています。

ここ最近の新規陽性者急増でK防疫に対する国民の不満*3が増えています。

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K防疫はただの自画自賛

また医療現場を取材した記事*4からは実際は政府が宣伝してるものとは大きく違い、医療崩壊し死者が急増していると伝えています。

『インフルと比較するな』

世界的に規制の緩和が進む主な理由は致死率が低く、インフルエンザに近いからです。

これについて韓国の感染症の専門家である李 載甲(イ・ジェガブ) 教授が次のように警鐘を鳴らしています。朝鮮日報の記事*5を見ます。

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政府に怒り『言葉遊びはやめろ』

政府が『致死率』だけにとらわれて、結果的に『死者数』が急増していることに対して非常に怒っています。

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李 載甲教授は委員会を辞任

実はこの人、元々政府のコロナ対策の委員会のメンバーでしたが、政府が専門家の警告や進言を無視して規制緩和を続けたことにキレて委員を辞任しました。

このことが、今回の謎を解くカギになりそうです。

急増の原因とは

では、なぜこんなに感染が爆発しているのでしょうか?一般的にはどのような見解か見てみると・・・

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大統領選挙の影響?

実は日本でも、緊急事態宣言まん防では飲食店の時短営業となりました。たしかに、デルタ株までは会食が原因の感染が多かったのは事実です。

会食で感染が多かった

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しかし、オミクロン株では子供の感染が多く、家庭内での感染が多いというのは日本でも韓国でも同じです。「まん防、意味ない」という意見が多いですね。

ま、飲食店で会食の人数制限や時間制限がなくなると確かに飛沫での感染はまた増えるでしょう。

そして、何よりも重要な、5年に1度の大統領選が影響したというところ、重要です。

規制緩和の理由

韓国の大統領選は5年に1度の大きな政治イベントで、国民が直接候補に投票するので、選挙活動の激しさや国民の関心は我々日本人の想像を絶します。

特に選挙直前の2月末からは全国各地で演説などでものすごい人混みができていました。しかし、大統領選の問題はそこじゃないんです。

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選挙用政治防疫

現政権にとっては政権交代されると色々困るわけですね。となると、選挙前は国民の不満をなるべく解消しときたいとなるわけです。それで、どんどん規制緩和を行っているというわけです。

しかーし!!腑に落ちないですな。

前回扱った英国では、規制完全撤廃でもこんなに爆増していないんです。

英国の『コロナ終了』その後

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タイミングを間違えた

ここでまた、先ほどの李 教授が登場します。3月17日の朝鮮日報の記事*6です。

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感染増加中に規制緩和あり得ない!

要は、他の国々は、感染状況が下がり傾向なのを確認してから規制緩和をしているけれど、韓国はピークに達する前に緩和しており、そんな国は他に1つもないと批判しています。

振り返ってみれば、韓国がウィズコロナの政策を開始したのは昨年の11月からです。

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日本に負けじと規制緩和

日本は第5波が終わって感染者が非常に少ない時期で制限緩和を始めましたが、その時に韓国はまだ感染は落ち着いていませんでした。日本に負けじと規制緩和へ。

予想通り12月に感染状況が悪化し、一度 規制再強化を行いました。

しかし、その後オミクロン株の流入で『致死率が低い』ということだけを理由に感染状況に関係なく規制を段階的緩和しています。

再強化する気はない

では、1日60万人という数字が出て規制の再強化はしないのでしょうか?可能性は低いと考えられています。

文政権はあと2か月で終了するので、今から国民からの批判を受けながら規制強化はしないし、やったら『選挙の為のショーだったのか!』と批判されます。

実際、飲食店の人数制限を21日以降6→8人に緩和します。これには韓国医師会が批判の声明を出しました*7

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政府は何もせず見てるだけ

新政権も前政権がやった規制緩和を再度強化することで国民の反発を招くと、幸先が悪いのでやらないだろうと。

とりあえず、現政権も新政権も今の一番困難な時期が過ぎるのを静かに待っているだけだと言っています。

さいごに

いかがでしたか?

韓国ではオミクロン株の影響と規制緩和と政治判断のミスで大きな感染爆発を起こしているということでした。

大統領選挙を前に、感染状況と専門家の意見を無視して規制緩和を強行したアダが出ていると批判されています。

不適時な規制緩和が本当に原因であれば日本でも同じことは起こり得ます。今年は7月に参議院選挙があります。

政治的な理由で誤ったタイミングで規制緩和に走らないように願うばかりです。

個人的には、韓国での1-2回目のワクチンの接種間隔の問題なども気になるのですが・・・

では、また(^.^)ノ