2025年、世界幸福度ランキング第1位はフィンランドでした。8年連続1位です。
これを聞いて驚く人は少ないです。ノルウェーやスウェーデンとともに北欧は福祉が充実しており、幸福度が高いってのはよく耳にしますよね。
さて、今回は、なぜフィンランドは『幸せの国』なのか、科学的に調べるプロジェクトがあるので見ていきましょう*1。

『フィンランドの未来』
氷点下が当たり前の極寒の冬や、世界的にも有名な酒飲み文化・・・
それでも、世界幸福度ランキングは1位となる不思議な国、フィンランド。政府組織(日本で言う厚労省みたいなやつ)が、100年近くかかる壮大な研究『フィンランドの未来』を始めています。
この調査ではフィンランドで生まれる約20万人の子ども(2026〜2029年出生)を対象としています。

そして、その子どもたちの家族についても調査され、世界的に見てもかなり大きな包括的・長期的調査となります。
基本的にはアンケートに答えながら『幸福感』のデータを蓄積していきますが、それだけでなく、採血データや生活状況、生活習慣、家族環境(教育歴や所得など)などについても事細かにデータを収集し、これらの『環境』や『社会変化』が生涯にわたる幸福度にいかに影響するのかというのを科学的に解明しようとしています。
高福祉の国
一般的には、フィンランドが幸福度が高いとされる所以はいくつかあります。
国や社会インフラに対する国民の信頼度が極めて高いこと、医療費無償や教育費無償などの充実した社会福祉保障、そして社会的に上下関係などが少なく『平等性』が高いと言われています。
また、豊かな自然が国土全体に広がり、リフレッシュしやすい点や有給消化率ほぼ100%で、働きすぎない社会が出来上がっている点も引き合いに出されます。

あとは、サウナ文化も、”整えて”くれるのかもしれませんね、ま、しらんけど・・笑
いずれにしても、これらはあくまで、他の先進国などと比較して浮き彫りになった点を列挙しているだけで、これらが本当にフィンランドが幸せの国の理由なのかはわかっていません。
今回の超長期研究が数字で答えを出してくれるでしょう。
大規模研究の裏側
2025年に世界幸福度ランキングで、日本は55位でした。
ところで、もし政府が「日本人がなぜこんなに幸福度が低いのか」これから国の予算を組んで100年弱調査します!と言い出したらどうでしょうか?
みんなブチギレますよね?笑 その金を国民に還元しろ!社会保障費を減らせ、このポ◯コツが!!とかなるかな?笑
フィンランドでもそうなるはずです。
しかし、大きな反発は起きてなさそう・・・

そこは『政府への信頼が強い』のも関係しますが、実はこの研究の目的が、それ以外にもあるからです。
この研究で集まった膨大なデータは、国民の『心の健康問題』や『健康格差』や『生活習慣病』など21世紀にフィンランド社会が直面する様々な問題にどう取り組み、乗り越えるのかという情報を与えられる可能性が秘められているからです。
なるほど、だから採血データなども集めてるんですな。
『根本理由を解明したい』
この調査の指揮を執る、ミカさん(※男性です)はヘルシンキ大学卒のウイルス学者のようですが、現在はこの厚労省のようなところで公衆衛生のトップをやっているようです。
このミカさんによると、「人々の幸福の軌道は20−30年もあれば変化しうるもの」だけれど、根底にある原因を知らなければ、幸福度が下がったときに対応できないと。
今回のような大規模長期研究は、国民の幸福度の根底にあるものを白日の下に晒し、同時にそれを理解することでさらに幸福度を高めることもできるだろうと自信をのぞかせています。
実はこうした取り組みはフィンランドだけではありません。

イギリスでもこのような長期研究を行っており、1946年、1958年、1970年生まれの人たちのデータを集めては、教育・健康・福祉に関連する政策に反映させてきました。
直近の研究としては、2015年から2016年にかけて行われた研究で、4人に1人の女の子が14歳の時点でうつ傾向が見られることがわかり、イギリス政府は対応を迫られました。
他にも、アメリカやニュージーランドなどでもこのような調査は行われています。
しかし、100年近い長期に及ぶ調査をするのはフィンランドが初めてです。フィンランドの「幸せな理由」を科学的に解明してくれると、多くの国でもマネできますね。
懐疑論も
実は、そもそも『フィンランドが幸福』ってところに疑問を持つ自国内の声もあります。
シャイで控えめで、ネガティブな感情も表に出す国民性があり、冬は真っ暗で寒く、うつ病は多いし、アルコール依存の問題もある国が本当に『世界一幸福な国』なのか?
さっきイギリスの女の子の話をしましたが、実はフィンランドでも10代の女の子の5人に1人はうつ傾向が見られているのです。

となると、『幸せ』の定義がおかしいんじゃね?と考えるは至極真っ当なわけです。
はい、幸福度調査は「自分の人生は10点満点で何点か?」という問いです。
そりゃこれだけの質問で『世界一幸せ』と言われても・・・となりますな。
国民的には”幸せ”なのではなく、福祉が充実していて”他国より不満が少ないだけ”という声も出ています。
ふむふむ、いずれにしてもこの結果が出るのは待ち遠しいですな〜
100年後は生きてないか。笑
では、また(^o^)ノ