マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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イーロン・マスクの飽くなき追求

イーロン・マスク(Elon Musk)がTwitterを買収したっていうニュースは皆さんご存知でしょう。

名前はよく聞くけど、マスクさんっていったいどんな人?ってのを今回学んでいきましょう~

南アフリカ出身

もともとマスク家はカナダ系だったりイギリス系だったりなのですが、1950年ごろに南アフリカへ移住した一族がありました。

そして、イーロン・マスクも1971年に南アフリカで生まれました。

当時の南アフリカはと言えば、1948年から続くアパルトヘイトがあり、それに反発する黒人たちによる蜂起が増えている不安定な時期でした。

アパルトヘイト中の南アフリカ

政府は昼夜プロパガンダを流し、世の中は誤情報で溢れて*1いました。

これが、イーロン・マスクが『言論の自由』を追求する根幹にあるのではないかと父親は語って*2います。

尚、彼自身は南アフリカでの過去を多く語ろうとはしません。

言論の自由を追求する姿勢

カナダへ移住

9歳のとき、両親は離婚し、父親と暮らす*3ことになりました。10歳のころからプログラミングの勉強を始め、12歳で自作のゲームを販売*4したのです。スゴいな・・・笑

しかし、学生時代はさんざんなものでした。

内向的なイーロンは階段から落とされたりひどいいじめに遭っていたのです。

そこで、テクノロジー大国・アメリカ行きを考えました。母親がカナダ出身で、イーロン自体もカナダ国籍を保持しており、まずカナダに移住することにしました。

実業家に凸電⇒ランチの誘い

クイーンズ大学へ進学すると、弟とともに、会ってみたい実業家に凸電して、ランチに誘うということを始めました(笑)全然内向的でない!

その結果、カナダ5大銀行の1つのインターンの座を獲得したのです!すごい。

大学生の時に性格が変わった?

アメリカへ

かねてからスペースシャトルなどに関心の高かったイーロンは、アメリカの大学へ行き物理学を学びたくなりました。

彼は人類の未来の進歩に関わるものとして、インターネット、宇宙、クリーンエネルギの3つが重要と考えていました*5

『人類の未来に重要なもの』

ペンシルベニア大学で経済学と物理学の学士を取得すると、スタンフォード大学の大学院へ進学しました。

その後、休学、1995年に弟や友人とともにZip2という企業を立ち上げ、インターネット上でのシティーガイドを開発し売り込みを始めます。

その後、Zip2は成長し、パソコン企業が3億700万ドルで買収することとなり、イーロンは株式で2200万ドル(約30億円)という大金を受け取りました。

すでに勝ち組。

インターネットビジネスが当たる

Paypal の成功

起業で成功したイーロンは、インターネット普及初期の1999年に X.comというオンライン銀行を作りました。

しかし、オンライン送金サービスとしては当時はPaypalの人気が上でした。

このときに通常ならNo.1とNo.2は激しい戦いをするのですが、そうはしませんでした。

共倒れは避けなければならない

Paypalのトップのピーター・ティールとイーロン・マスクは話し合いの場を持ちました。ハイテクバブルは数年で終わると考え共倒れしないために協力*6する方向へ。

X.comとPaypalは合併*7し、イーロンはPaypalのCEOとなりました。

Paypalも2002年にeBayに買収されますが、このときに筆頭株主だったイーロンは約1億7500万ドル(約200億円)を手にしました。

やり手なビジネスマン

スペースX

Paypalを売却して手にした約200億円を使って次の事業に出資*8します。それがスペースX (2002年)です。

この会社は民間企業として初めて有人宇宙飛行に成功した会社です。

イーロンの最終目標は巨大なロケットを使って人類を火星に送り込み、移住させること、まさにSF映画の世界!

地球が万一滅びても人類が生き残るための戦略だとか・・・

火星への移住計画?

クリーンエネルギー

そして、イーロンの最後の関心事がクリーンエネルギーですね。

テスラに出資し、2004年に会長の座に就きました。

2010年の株式公開以降、テスラの株価はどんどん上がり、コロナ禍でも成長。気づけば世界で最も価値のある自動車会社に*9なりました。

また、太陽光発電の会社ソーラーシティーをテスラは買収しました。

この会社はイーロンの従兄弟が作った会社であり、自らも出資していました。全米第2位まで成長しましたが、実は経営不振に陥っていたのです。

そんな会社を買収すると・・・危機感からテスラの株価は下がり、もちろん株主も大激怒。

「自分の利益のために行った買収だ」と株主たちにより訴訟を起こされたのです。

最終的にイーロンは勝訴しますが、『裁判所の忖度』では?と言われて*10います。

『自分の利益の為』?

言論の自由

そして現在の話になります。彼の昔からの信念は言論の自由

イーロンは1つのアプリで様々なことができる万能アプリを作ることを考えていましたが、Twitterを買収して万能アプリにすることを決めました。

Twitterのユーザー数は世界で4億3600万人でFacebookの実に1/7です。なぜTwitterに目を付けたのでしょうか?

反トランスジェンダーアカウント凍結解除

1説*11では、トランスジェンダー女性に対して嫌がらせ投稿をしていたユーザーアカウントが凍結されたことがきっかけとか。

Twitterでは、悪質な誹謗中傷や差別、悪質なfake newsなどでアカウント凍結があります。トランプ元大統領もアカウントが永久凍結されましたね。

これが、彼の信念である『言論の自由』に反しているため、買収してテコ入れをしているということだそうです。

現に、トランプのアカウント凍結は解除されてますし、残念ながら誤情報流布アカウントも再開されてきています。

アカウント凍結を解除

さいごに

イーロン・マスクは幼児期過ごした南アフリカでの経験から『言論の自由』の重要さを胸に刻んで生きています。

内向的だったいじめられっ子がカナダ⇒アメリカと経て、誰もが知る富豪になったサクセスストーリー。

その裏には、自分が信じたものを追い続けたことにあるようです。

インターネット、クリーンエネルギー、宇宙開発・・・そのすべての分野に彼の名前が見られています。

 

では、また(^.^)ノ