「日本のGDPは韓国に抜かれた」
「韓国の方が豊かな国」
嬉々として報じるメディアがありますが、ま、こういう危機感を煽るほうが売れますし仕方ない部分はありますが・・・
しかし、よく事情を知っている人たちは、「ん?」という反応を示します。
GDPだけでは豊かさを測れない・・・今回はそんな一例を学びましょう\(^o^)/

日本に留学
さて、最近の朝鮮日報の記事*1も参考にしつつまとめます。
韓国で、留学といえば、英語圏のアメリカやイギリス、カナダのイメージがありました。韓国で良い企業に就職するには英語力、留学経験なども重要です。
しかし、最近この留学先に『日本』が入っており、日本に留学する若者が増えているのです。

もし、日本が韓国より貧しくて魅力のない国ならば、留学が増えるでしょうか?
確かに、東大・京大・早稲田・慶応など名門は、ネームバリューがあるので、そのために来るというのはあるかもしれません。
しかし、実際は、立命館や帝京など韓国ではそれほど名の通っていない大学への進学を目指す韓国の高校生が増えているのです。
そういえば、反日・親中路線だった文在寅大統領の娘さん、文多恵(ムン・ダヘ)さんは、日本の国士舘大学に2年間留学してましたね。ここは”右翼大学”とも呼ばれる保守的なところで、父親の政治観と真逆なのはさておき、日本の大学へ留学する一例です。
受験戦争・就職戦争
では、なぜ今日本への留学が増えているのでしょうか?
もちろん親世代が、昔の親世代ほど日本嫌悪がなく、日本に関心がある人たちが増えているのは根底にあるでしょう。
そして、韓国内の熾烈な受験戦争・就職戦争です。

韓国では①大学が名門かどうか、②ソウルにある大学か否か というのが非常に大きなものさしです。
名門というのはSKYと呼ばれますが、ソウル大学(S), 高麗大学(K), 延世大学(Y), のことです。空高く手が届かないという意味もあります。
入学試験でこれらの①②の限られた大学は定員を考えれば、非常に狭き門です。
近年では、名門大学は多くがAO入試となっており、高校の内申書に重きが置かれています。要は普段の生活態度、サークル活動、ボランティアなどが重視されます。
そうした”ボランティア”活動と政治が結びついた有名なものが、高校生による慰安婦集会などです。こうした『反日ボランティア』も高校教員の思想によっては高く評価されてきたのです*2。
名門大学に行くには、勉強漬けで、さらには内申書のために普段から品行方正が求められ、ボランティアまでしなければいけないのです。
親もウンザリ
実は、この超学歴社会・韓国に辟易としているのは学生だけではありません。親もです。
子供が学校で悪い噂が立たないように気を使ったり、子供が勉強に集中できる環境を提供し続けなければなりません。
いい大学に受かるための情報を得るために、入試コーディネーターとやらの1時間で5万円以上のコンサルを受けたりするのも普通だそうです。
この環境を抜け出すには、韓国内の大学ではなく、海外の大学に行くしかないのです。

では、なぜ日本は狙い目になるのでしょうか?
当然、日本は先進国であり、信頼度が高いのが一番です。
日本の大学の数は2025年 793校ありますが、韓国では200弱です。しかも、その中でソウル内は40校ほどになります。
就職のためにソウル内の大学に行くのがいかに大変かわかりますね。
そこで、韓国の4倍近い大学があり、少子化で海外からの学生も欲しい、先進国の大学は人気となるわけです。
閉鎖的な学歴社会韓国を抜け、選択肢を増やすために日本の大学を目指す韓国の高校生が増えているのは、こういった背景があるのです。
日本で就職
日本に留学した韓国人はどうするか?
多くは、日本内で就職します。日本でならば、一流大学でなくても就職するところはたくさんあるからです。
日本の大手企業は、コロナ禍を経て、過去最高益を更新し、新入社員採用を増やしているのです。
また、日本には『新卒一括採用』という特有の制度があり、要は新卒を一気に4月から入社させ、一から育てる”終身雇用制”の慣習があります。
これにより日本では大卒の就職率はほぼ100%になります。
▼終身雇用制の日本▼
一方で、韓国では新卒の60%が就職し、残りの40%は就職浪人します。
さらに追い打ちをかけるのが、サムスンを除く大手企業の多くが新卒採用をやめたのです。

韓国の大企業とされるのは約30社で、会社全体の0.1%に過ぎませんが、これらが韓国企業の資産の60%以上を占めています。
そう、韓国のGDPは財閥を中心とした大企業が押し上げているだけで、それ以外は・・・なんです。
なので、韓国の中小企業では大企業と比べ給料はガクッと落ちるのです。
「韓国の中小企業で働くならば日本で働くわ」これがストレスフリーとなるようです。
韓国の失業率
韓国の新卒者の4割が就職浪人をしているというのは驚きですよね。
これが、”日本のGDPを超えた”国の内情なのです。
ところで、韓国の失業率を見てみると、3−4%程度とされ、日本は2.5%くらいです。そんなに大きな差があるとは思えません。
さらに韓国のこの数字は世界的に見ても非常に低く優秀とされるのです。

ここまで見てきた、内容と矛盾するように感じますが・・・
ここにはカラクリがあります。
15歳以上で働く意志がある『労働力人口』と、働く意志のない『非労働力人口』に分けられます。
労働力人口は、調査期間(1週間)のうちに、何らかの仕事をしてお金を稼いだ人と休職中の失業者をあわせたものです。
非労働力人口とは、病気などで就業できない人や高齢で退職した人、職探しをしない人、専業主婦、学生を合わせたものです。
韓国ではこの非労働力人口が3割も占めているのです。(日本は2割)
失業率の計算は『労働力人口』のうち失業した人の割合を表します。

本来は失業しているのに、調査期間中の『定義の仕方』により、”職探しをしていない”非労働力人口にされている可能性が高いのです*3。
また、韓国の自営業の割合は24%と高いのも特徴で、日本では10%ほどです。
自営業者の家族は、『無給』でありながらも、従事中なので、失業者とされません。
拡張失業率
こうした関係で、韓国の失業率は実態よりもかなり低く数字が出されていると考えられます。
もちろんこうした批判は韓国内でも出てくるわけで・・・
最近は、韓国政府も、「失業率が実態を反映していない」として、拡張失業率という新たな指標を公表するようになりました。
これは、国の発表している失業者に、何らかの理由で調査期間中に求職していなかった潜在的失業者や、労働時間がかなり短いバイト要員を加えたものです。
これを下に再計算すると、2022年は全体が10.6%、15~29歳が18.9%と非常に高いことがわかります。
特に若い世代の就職が難しいことが見て取れますね。
新卒がほぼほぼどこかに就職できる日本に留学する理由はここにありそうです。
そして、GDPや失業率、数字だけでは簡単に国の状況を比較できないのがよくわかりますね。
では、また(^^♪